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神の仲人
第三章

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「いない」
「そうですね」
「それで貴殿の力と知恵を借りたいのだが」
「愛の女神である私の」
「そうだ、いい考えはあるか」
「この世に誰も伴侶がいない者はいません」
 このことからだ、アフロディーテはアポロンに話した。
「それこそです」
「永遠の処女を誓ってもか」
「それは異性への愛だけではないですか」
「それを言うと我が妹もそうだな」
 アポロンは双子の妹であるアルテミスのことを思い出した、彼女は男性は近付けないと誓っている。だが。
 同性は違う、いつも美しいニンフ達に囲まれている。アポロンもそのことを知っていて言うのだった。
「同性ならばな」
「はい、ですから」
「誰もがか」
「伴侶はいます」
「あの王女にもか」
「左様です」 
 その通りだというのだ。
「誰にも」
「そうか、しかしだ」
「あの王女はですね」
「私はそうは思えないが」
「あらゆる世界の隅から隅まで探されたのですね」
「人だけでなくな」
 同性まで探したとだ、アポロンも答えた。
「そうした」
「そうですね、しかし」
「しかし?」
「近くはどうでしょうか」
 アフロディーテはアポロンに微笑んで答えた。
「あの王女の」
「近くか」
「はい、身近です」
「あの王女の身近か」
「そうです、弟に母とその浮気相手を殺させた」
「その彼女の身近か」
 アポロンはアフロディーテのその言葉に思索に入った、そして暫く考えてから愛の女神に対して言った。
「二つあるな」
「身近は。ですね」
「一つは場所だ」
「今彼女がいる」
「そこを探す、しかしだ」
「それでもですね」
「そこには誰もいなかった」 
 エレクトラが今いる場所の近くにはというのだ。
「それこそな」
「それでは」
「もう一つある」
 アポロンはアフロディーテに促されて言った。
「それはだ」
「血縁ですね」
「そうした意味での身近もある」
「はい、その通りです」
「彼女は確かに母を殺した」
 その浮気相手と共にだ。
「そうした、しかしだ」
「それでもですね」
「これまで母殺しの罪の報いを受けてエリニュス達に気が触れる呪いをかけられた弟を助け養ってきている」
 母を殺させた弟をというのだ。
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