暁 〜小説投稿サイト〜
レーヴァティン
第八十五話 護民官その二
[1/2]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
「どんな候補者出るかもな」
「わかっていないから」
「何とも言えないな」
「若しもね」
 留奈も言ってきた。
「とんでもない優秀なのとかが出て来たら」
「選挙に強いのがね」
「角さんみたいな」
 田中角栄のことだ、色々と悪評があることは確かであるがその能力と人間的魅力は今でも言われている。
「そんな人だったら」
「難儀だな」
「有能で選挙に強くてね」
「ああした魅力がある人が護民官の選挙に出たらな」
「正直辛いわね」
「そうだろ、だからな」
 他の立候補者が強敵である場合もあるからだとだ、久志は留奈に対しても極めて真剣な顔で述べた。
「油断出来ないしな」
「相手のこともよね」
「調べてな」
「そうしてそのうえで」
「地盤も固めていくな。何ならな」
 久志はその目を鋭くさせてこうも言った。
「金はあるんだ」
「それなら」
「その金を今のやり方とは別の使い方でな」
 即ち裏の使い方をしてというのだ。
「やっていくか」
「賄賂とか買収か、どうもな」
 芳直は久志のその言葉を聞いてどうかという顔で述べた。
「俺っちはな」
「そういうの嫌いだよな」
「奇麗ごとで済めばって思うぜ、けれどだよな」
「選挙でもこれは学校の生徒会長を決めるとかじゃないからな」
「この島がどうか、だからか」
「だからだよ」
 それ故にというのだ。
「もうな」
「手段はか」
「裏のそれを使ってもまずな」
「このローマの護民官になることか」
「ああ、それが一番ローマを手に入れるにいいやり方だからな」 
 それ故にと言うのだった。
「ここはな」
「金を使ってか」
「やっていくぜ」
「そうか、わかったぜ」
 芳直は久志の言葉をここまで聞いて頷いて答えた。
「それじゃあな」
「それでいいな」
「いざってなればか」
「ああ、あともっと基盤を固めるついでにな」
 基盤、票を集めるそれをもっと固めることだけでなくというのだ。久志は考える目で仲間達にさらに語った。
「傭兵も雇うか」
「ローマ市民の傭兵達を加えたら」
「こっちの戦力になってな」
 久志は淳二に答えた。
「票も入れるだろ」
「だからだね」
「そうした傭兵を傭兵団単位、個人でもな」
「雇っていくんだね」
「連中を常備軍にするのと共に」
 このことと並行させてというのだ。
「やっていくぜ」
「考えてるね、というか選挙のことわかってるね」
「まあな、俺政治はな」
「政治は?」
「結局手段を選ばないで国益を手に入れる」
「そうしたものっていうんだ」
「そう考えてるからな、選挙もな」
 こちらもというのだ。
「やっぱりな」
「手段は選ばない」
「暗殺とか一線は越えないでな」
「一線はだね」
「流石にそれはどうかっ
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ