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麗しのヴァンパイア
第九十八話

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               第九十八話  怒った結果
 華奈子も美奈子も小公女を読んでミンチン先生達に怒りを禁じ得なかった、それで華奈子はまた美奈子に言った。
「ああした人間がいるってね」
「絶対にね」
 美奈子もこう答えた。
「私達二人共同じ気持ちね」
「許せないわよ」
 華奈子もまた言う。
「あんな最低な人学校の先生にいるのね」
「いるかも知れないわね、実際に」
 美奈子はその可能性を否定せずに述べた。
「そうしてね」
「あんな最低なことするのね」
「アニメでもあるらしいけれど」
「小公女が」
「ミンチン先生達物凄く嫌われてたらしいわ」
「当然よね、根っからの悪人だから」
 特に華奈子がこう思っている。
「誰だってね」
「そう思うわね、それでブーイングが殺到して」
 アニメの放送中にキャラクター達に対してだ。
「演じている声優さん達もね」
「嫌われたの」
「もう抗議どころか嫌がらせの手紙とか送りものが殺到して」
「嫌がらせの送りものって」
「カミソリとかゴミとか虫とかの死骸とか縄とか」
「縄?」
 華奈子はこれを送りつける理由はわからず美奈子に聞き返した。
「何で縄なの?」
「これで首吊れっていう」
「そんなの送るって何よ」
「酷いわね、周りからも色々言われて」
「それ演じている人達大丈夫なの?」
「ミンチン先生役の人とラビニア役の人かなり参ったそうよ」
「そりゃなるわよね、三ヶ月抗議だったら」
 華奈子は今のアニメの多くの放送期間から述べた。
「これが半年だったらあたしだったら役降りるわ」
「その作品一年だったわ」
「一年って」
 華奈子もこれには唖然となった。
「声優さんも大変ね」
「お二人共こうした役は二度としたくないって言われたそうよ」
「あたしみたいに怒る人一杯いたらね」
 放送当時はそうなるだろうとだ、華奈子もわかった。
「それで抗議の手紙とか書きまくったら」
「嫌になるわね」
「そうならない方がおかしいわね」
「私もミンチン先生達大嫌いだけれど」
「アニメとかで演じるとなると」
「その人達にとっては大変みたいよ」
 所謂ファン達からのヘイトがこれ以上ないまでに殺到するからだ、華奈子と美奈子は小公女を読んでそうしたことも理解したのだった。


第九十八話   完


                2018・10・17
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