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誇りにすべき父
第二章
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「おまんのお父さんは子の穴かでか」
「父はかつてこの辺りを治めていた領主様に仕えていたのですが」
 正岡達が来る前の話であることはだ、正岡も織田もすぐにわかったが素性を隠した方が話がスムーズにいくと思い言わなかった。
「領主様が霊酒を所望され」
「霊酒じゃな」
「飲むと不老不死になり傷が瞬く間に癒されるという」
「その酒を領主さんが求めてか」
「父は無事に酒を手に入れました」
「それでもじゃな」
 正岡はこれまでの話の流れを感じ取ってだ、そうして言うのだった。
「おまんのお父さんはここで行方不明になったか」
「霊酒はアンコールワットの中にあったとのことですが」
「そうか、それでお父さんの行方をじゃな」
「死んでいると思いますが」
 それでもとだ、青年は言うのだった。
「寿命でないなら救い出し寿命でもせめて遺骨でもと思い来ました」
「そうか、ではじゃ」
 正岡は織田と目でやり取りをしてだった、そのうえで青年に述べた。
「若しかするとモンスターがおるかも知れんからのう」
「拙僧達も同行させて頂いて宜しいでしょうか」
 織田も青年に申し出た。
「その様に」
「宜しいのですか?」
「おまん職業は何じゃ」
「学者です」
 青年は正岡に答えた。
「今は学校で先生をしています」
「術はどんな感じじゃ」
「僧侶のものを少々」
「それで一人で地下迷宮に行くのは危険ぜよ」
 正岡は青年に微笑んで答えた。
「ならじゃ」
「やはり拙僧達が同行させて頂きます」
 織田も再び話した。
「貴方お一人では危ういので」
「だからですか」
「是非共」
「一人より二人、二人より三人ぜよ」
 正岡は優しい笑みでこうも言った。
「なら行くぜよ」
「そしてですね」
「そうぜよ、三人いれば大丈夫ぜよ」
 アンコールワットの中に地下迷宮がありその地下迷宮がどれだけ危険なものとしてもとだ、正岡は青年に笑って話した。そしてだった。
 神託のことも話が複雑になると思いあえて冒険者の気まぐれということにして青年と共に入った。そしてだった。
 アンコールワットの中に入ると実際に青年が言った通りもっと言えば正岡がひょっとしてと思った通りに地下迷宮があった。その中に入る時にだ。
 青年はまずは名乗った、名をチョム=センといった。普段はプノンペンに住んでいて機会を見てここに来て父を探そうと思っていて遂にその機会が来たとのことだ。
「父が率いていた部隊の生き残りの方のお話でして」
「親父さんがじゃな」
「はい、この地下迷宮に入って」
 それはというのだ。
「ですがモンスターに襲われ。地震もあったそうなので」
「この中で行方知れずになってか」
「部隊もモンスターに襲われまして」
「壊滅してか」
「半分程の方が何とか脱出
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