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仙女の正体
第三章

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「吸うしね」
「そもそも吸うっていってもな」
「血を牛乳や野菜ジュースみたいなエネルギーにするだけで」
「血だけじゃねえからな」
「そう、人を殺してまで血を吸うとか」
「まずねえな」
「ないよ、ましてや手足を縄で縛るとかね」
 このことについても言うのだった。
「そんな吸血鬼ないよ、それで仙女さんもね」
「狐人のな」
「違うね、絶対に」
「だよな、絶対に」
「そこをはっきりさせる為にも」
「まずはな」
「船女さんのところに行こうよ」
 麻友はこう言って幸田と共にまずは森の中にあるという魔女の家を探した、二人で森の中をモンスター達を倒しつつ半日程歩いているとだった。
 一軒の庵を見付けた、麻友はその庵を見て幸田に言った。
「ここね」
「そうだな、ここにな」
「仙女さんがいるよ」
「間違いないな、じゃあな」
「中に入ろうね」
 幸田にこう言ってだった、麻友は自分から庵の扉を叩いて言った。
「ちょっと、いるかい?」
「いるかいとは」
「ここに仙女さんがいるよね」
 こう言うのだった、庵の中から応えてきた声に。
「そうだね」
「それが私だというのですか」
「違うかい?」
「それはそうですが」
「そうだね、お話を聞きたいけれどいいかい?」
「それは」
 声は怯えを見せた、そのうえで麻友に答えた。
「貴方達は」
「信用出来なかったら出なくていいよ」
 それはとだ、麻友は声の主に答えた。
「それならね」
「そうですか」
「大事なことはね」
 それはというと。
「あたし達の話を聞いて欲しいんだ、あんた吸血鬼じゃないね」
「それは」
「村人達から聞いたよ」
 仙女の仕業という吸血鬼の振る舞いをだ。
「あんな吸血鬼いないよ」
「あれはだ」
 幸田も庵の中の相手に対して言った。
「吸血とは別の目的で殺してるだろ」
「そうだよね」
「信じてくれるかどうかわかりませんが」 
 こう前置きしてだ、庵の中の声は言ってきた。しっかりとした低温の大人の女の声である。
「この森のさらに奥にです」
「本当の黒幕がいるんだね」
「はい、私はこの森に修行の為に来たのですが」
「そこで黒幕を見た」
「それでそのことを村の人達にお話しようと思いましたが」 
 それでもとだ、声は麻友達に話した。
「信じてくれなくて」
「あんたが吸血鬼だってだね」
「逆に言われています」
「それでおいら達もここに来てな」
 そしてとだ、幸田は二人に話した。
「退治してくれって言われてるんだよ」
「左様ですね」
「しかしな、村人の話を聞いてて絶対におかしいんだよ」
「この辺りにいる吸血鬼ってキョンシーだよね」
 中国の吸血鬼の代表的な例としてだ、麻友は話した。
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