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魔法が使える世界の刑務所で脱獄とか、防げる訳ないじゃん。
第一部
第16話 大晦日の第一魔法刑務所
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 今日は大晦日。
 現在、房の掃除中。

「……メイド兄弟、何処に行ったのかなぁ」

 雑巾を持ちながら、グレースが呟く。絶対に、メイド兄弟が全部掃除すりゃ良いじゃんみたいな考えをしている。…………駄目人間の鑑か。
 逆にハクとシンは、かなり楽しそうに掃除をしている。新聞紙で窓硝子を拭いたり、鉄格子を磨いたり。

「違う舎に行ったんだから、会える訳ない」
「うーん、そうなんだよねぇ……」

 要曰く、琴葉も仕事でいないらしいし、自分達で真面目にやるしかないのだ。

 そもそも、誰かに頼ること自体間違っているのである。

「でも、メイドさん達にやって貰いたいことがあったのになー」
「ハク、奇遇だな。僕もだ」

 ……あ、嫌な予感がする。

「ん? なになに〜?」
「「『お帰りなさいませご主人様』ってやって貰いたかった」」

 ちなみに、これを言っている時の二人は、真顔だった。


 大掃除は、その後一時間近く続いた。
 その後は、一舎の囚人全員で、食堂で蕎麦を食べた。


  ◆ 琴葉side ◆


 ―――四時間は長かった。

 看守長の御部屋を掃除し、ついでに看守達の休憩室も掃除する。橙条と廊下の雑巾掛けで勝負し、華麗に勝利。青藍がソファを持ち上げてるところを拭き、神白と窓を拭く。
 その間、常に看守達から変な視線を送られていた。

 なぜなら―――


「はぁ!? メイドに掃除やらせなくてどうすんの!?」
「囚人に頼るわけが無いだろう!」
「そしたらメイドの存在意義は!? ミスをしたらご主人様に"御仕置き"としてあんなことやこんな事をして、失敗したら鞭で打たれ、ぼろぼろになっているのに掃除や洗濯をひたすらし続け、最終的にご主人様に体の関係を迫られ、『あぁ! ご主人様には逆らえませんわ!!』と言いながらご主人様と一線を越えてしまうのがメイドの宿命でしょ!?」
「どんな知識だ! これだから子供は……」
「あ"ぁ!? 背が小さいだけで、子供じゃ無いんですけどぉ!?」
「十分に子供だ! 一々騒ぐな、迷惑だ!」
「御前の方が声大きいだろ! 御前も黙れ!!」

「おい、青藍! 机壊すんじゃねぇ! 何個目だ、クソッ!!」
「あはは〜、まぁそう怒るなって! 皺が増えるよ?」
「誰がジジイだ馬鹿野郎!!」
「ジジイなんて言ってないんだけど」
「うるせぇ!! さっさと黙って仕事しろッ!! 力加減も考えろよなッ!?」
「あはははーはーはっ!! 橙条クン、顔面崩壊してるよぉ? おっもしろーい!!」
「うるせぇぞ黒華!! 何御前までこっちこっち来てんだ、さっさと自分の持ち場に戻れッ!!」
「はいはい、無駄口叩いてないで掃除してっ! 無言清掃だよっ」
「何が無言清掃だ
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