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レーヴァティン
第八十四話 ローマに戻りその八
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「それなり以上の」
「一資産分は普通にあるよな」
「そして武力もです」
「俺達個々の力か」
「既にある程度あります、そしてです」
「この二つを元手にしてか」
「勢力を拡大していくべきです」
 これが良太の考えだった。
「まずは」
「お金やけどな」
 美奈代は商人として話した。
「うちが増やしてええか」
「ああ、商人だからだよな」
「投機、よさげなお店の買収にや」
「商人ギルドもだよな」
「手に入れてな、そうしていってな」
「お金を手に入れるか」
「あと職人さん達も味方につける」
 商人と並ぶ街の市民を形成する重要な存在である彼等をというのだ。
「そっちのギルドも味方につけてく」
「ローマのか」
「あらゆる職業のあらゆるギルドをな」
「そうしていくんだな」
「そっちは任せてくれるか」
 美奈代は久志に自信に満ちた笑みで言った。
「ローマの商人と職人のギルドはや」
「こっちに引き入れるか」
「うちのやり方でな」
「御前のか、やばいやり方しないよな」
「表でちゃんとする、というかうち裏の手段は使わん」
 美奈代は久志にこのことも自信を以て答えた。
「そういうのは流儀やない」
「だからか」
「そや、合法的にや」
 そこはあくまでというのだ。
「やってく、セビーリアの本店からも人を呼んでお金も持って来てな」
「そうしてか」
「どんどん掌握していくで」
 ローマの商人と職人即ち商業と手工業をというのだ。
「これでお金は握れる、勿論銀行や貿易も抑えるしな」
「本当に金は全部抑えるんだな」
「足りんかったら投機でどんどん儲けてその金を注ぎ込む、こっちの世界の商売のことは細かいところまでわかるさかいな」
 それだけにというのだ。
「そっちもどんどんやってくで」
「投機も出来るんだな」
「ああ、この島の商売は神様の道具の力でどんどんわかるさかいな」
「道具の力も使ってか」
「やってくで」
「よし、そっちは頼むな」
「金のことはな」
「じゃあそっちは任せてな」
 美奈代にとだ、久志は決めた。そうしてあらためて言うのだった。
「次は武力だな」
「それならでござる」
 今度は進太が言ってきた。
「ローマには騎士団はないでござるが傭兵団の本部が多くあるでござる」
「じゃあ傭兵をか」
「雇っていって」
「武力は手に入れるか」
「それがいいでござる、ただ」
「ああ、傭兵だからな」
「雇うにはお金が必要でござる」
 進太はこのことについても述べた。
「どうしても」
「そうだよな」
「あと傭兵はビジネスでござるし」
「武器持ってるからな」
「少し目を離すと荒っぽいことをするでござる」
「こっちの世界ではそれ程じゃないけれどな」
 久志は自分達の世界のことも話
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