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レーヴァティン
第八十四話 ローマに戻りその七
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「泡も出る様にしてるんだよ」
「そこまでしたの」
「そしてなんだよ」
「サウナも置いたのね」
「だから皆好きな時に入ってくれ」
 風呂、そこにというのだ。
「部屋も好きなのを使ってくれ、そしてな」
「この屋敷を拠点として」
「ローマを一つにして掌握しような」
「わかったわ、ただね」
 双葉はその目を鋭くさせて久志に応えた。
「まずはこのローマの状況を把握することね」
「それだよな」
「この島最大の都市だけれど」
「はい、パリやロンドン、ウィーン以上にです」
 ずっとローマにいた夕子が答えた。
「人工が多いです」
「百万はいるわね」
「それ位は」
「じゃあそれだけにね」
「様々な勢力が存在しています」
「やっぱりね。私も外から噂を聞いていたけれど」
 ローマの状況、それをというのだ。
「宗教に貴族、傭兵、商人、職人組合、あと裏社会と」
「市民それぞれのコミュニティもありますし」
「色々な勢力が混在している街ね」
「他の街や地域もそうでしょうが」
「ローマは特によね」
「この島では特に歴史が長い街でして」
 このこともあってというのだ。
「様々な勢力が雑多に混在している」
「その街を一つにするとなると」
「一筋縄ではいきません」
「そうよね、力で抑えつけることは」
「そんなことしても一時でな」
 久志は双葉が自分達十三人の力でと言ったところですぐに突っ込みを入れた。
「何かあったらすぐに背かれるからな」
「そうなるわね」
「そう、だからね」
 それでとだ、双葉もわかってて言ったのだ。
「これはしない方がいいわね」
「ああ、心から従わせる」
「文字通り振幅させることね」
「そのことが大事だからな」
 それでというのだった、久志も。
「出来るだけ政治でな」
「やっていくべきね」
「それも教会の後ろ盾を使わずにな」
「それがいいわね、じゃあ」
「ああ、まずはだな」
「一つの勢力、例えば」
 双葉は考える顔になり言った。
「お金と軍隊ね」
「その二つか」
「その二つを握ることね」
「やっぱりその二つが強いよな」
「ええ、何かをしようと思ったらね」
「政治では特にだよな」
「そう、だからまずこの二つを握って」
 そうしてと言うのだった。
「はじめることでしょうね」
「私もそう思います」
 良太も言ってきた。
「やはり力となると」
「武力と財力か」
「その二つです」
 手に入れるべきものはというのだ。
「やはり」
「その二つか」
「逆に言えばこの二つがなければ」
「どうしようもないよな」
「はい、ですから」
「金と軍隊か」
「その二つは絶対に必要ですね」
 良太は久志にはっきりとした声で言い切って告げた。
「現実としまして」

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