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ツインズシーエム/Twins:CM 〜双子の物語〜
ツインレゾナンス
第17話 知ってしまった想い
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る。

 一方エースは、違和感など一切なしにいつもと変わりない朝の挨拶を投げかける。

「おはよう」

「おはよ。今日は早いね」

「ああ、なんか早く起きてしまった。おかげでやることない」

「……ふーん、なるほどね」

 視線が元に戻ったエースの姿だけを見ただけだったが、それだけでもミストはエースの心の内を察したようだった。物分かりのいい弟なのはもちろんエースも知っているので、その理解の早さを今更驚くこともない。

「早く帰ってこないかと待ってる感じ?」

「……よく分からないけど、そうかもしれない」

 普段ならからかいを否定してミストのペースに持ち込まれて持ち込まれてしまう場面だったが、どうにも内容を否定する気になれず、エースは半肯定のような言葉を返した。なんとなくだが、モヤモヤし始めていることにも気づく。

「なら、今から迎えに行ってあげれば? 今はもうこっちに向かってるかもよ」

「いや、さすがに早くないか?」

 いくら家にいるとはいえ、起きるのが苦手なフローラがこの時間に起きてこちらに向かっているとは考えづらい。

 だが、それはそれで今のエースには好都合なのかもしれない。そういう相手との遭遇がないということは、考えずに済む、という側面もある。

 ただ、心の中のモヤモヤが拭い去れない。からかわれていることを不機嫌に感じているわけではないのに、引っ掛かりが上手くとれない。

「ミスト、ちょっとだけ外歩いてくる。頭冷ましてくる」

「分かった。朝ご飯までには帰って来てよ。タイムリミットは……多分、長くても20分くらいかな」

「そんなに長くは歩かないよ。じゃ、準備して行ってくる」

 ミストの念押しも受け止めておいて、エースは出歩き用の着替えをするために部屋に向かった。といっても、学校のある日の散歩で私服姿になると洗濯物が増えて後で仕事量が増えるので、着るのは今日着る予定の制服である。

 着替えを済ませたエースは1人玄関から外へと出て、モヤモヤ気分を変えるべく歩き始めるのであった。






* * * * * * *






 エースが頭の中に思い描いていた散歩コースは、向かう先を学校か市街地のどちらかに二分する分岐点まで。そこまで距離のある道のりではないし、見知った道でもあるので迷うことはあり得ない。

 外を照らす太陽はまだ昇り始めの方だったが、最初に見た時よりも時間が経っているため、少し太陽の位置が上がっている。やや明るくなった町は、目覚めの時間を迎えているようだ。

 人の気配も少しずつし始めており、犬の散歩をしている青年や、日課なのだろうか迷いなく2人並んで歩く老夫婦が見かけられる。同じ学校の生徒はさすがに時間が早す
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