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Fate/magic girl−錬鉄の弓兵と魔法少女−
無印編
第三話 過去の思い出
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鬼としての親でもある、アルトこと、アルトルージュ・ブリュンスタッド。
 しかも、大師父に

「ここに行って待っていればいい」

 なんて言われてのんきに待っている時に話しかけられたのだ。
 後で聞いた話では、大師父が言っていた会わせたかった人がアルト自身だったのだが。

 しかもそのとき、膝の上にプライミッツ・マーダーの頭を乗せて撫ぜながら、呑気に世間話をしていたのだから俺も結構鈍い。
 アルトの黒騎士と白騎士にも呆れられた。
 それにしたって、改めて思うとまともな出会いがほとんどないな。

 しかしというより当たり前なのだが、時計塔の主席、次席候補の二人と親しくし、大師父の弟子かつ、アルト達と繋がりを持てば俺に注目が集まり、投影魔術がばれたのは仕方がないことだろう。
 もっともバックにいる人が人だけに時計塔が動けず、穏やかな日々が過ぎていっていた。
 もっとも遠坂やアルト達の喧嘩は絶えなかったが。

 だがそんな穏やかな日々も崩れ落ちることになる。
 時計塔からの仕事を請け負ったのだが、それは俺を狙う魔術師たちの罠だったのだ。
 俺を狙ってきた魔術師はすべて倒したものの、右の肺はつぶれ、左腕は砕け、心臓のすぐ横には穴があいている状態だった。
 そこに助けに現れたのがアルト達だった。
 だがアルトはもちろん、黒騎士、白騎士、プライミッツ・マーダーも治癒の魔術は使えない。

「シロウ、まだ死にたくはないか?」
「ぐっ! ああ、まだ俺は死ぬわけには……だから頼む」

 だから俺は選んだ。
 最後の可能性に賭けたのだ。

「ああ。また会おうぞ、シロウ」

 そして、アルトに血を吸われたのだ。
 だが俺に吸血鬼としての素質があったのか二週間昏睡して目を覚ましたら、人形でも何でもなく個の死徒になっていたのだ。
 しかもその時にすでに太陽は克服していたのだからふざけた体をしている。
 もっとも吸血衝動がそれなりに問題だったけど……

 だがこれにより新たな問題が起きた。
 聖堂教会が俺のことをどこからか嗅ぎつけ、空席だった二十七祖第十位に俺を登録したのだ。
 それにより魔術協会、聖堂教会に狙われ、俺は遠坂達から離れることを選び、戦場をさまよい続けた。

 そして、辿りついたのは何もない荒野。
 体のいたる所から剣が突き出し、右腕はかろうじて繋がり、両足の骨は粉砕している。

「まだなんとか生きてるようね」
「遠坂。それにアルト、大師父」

 俺を見下ろしていたのは懐かしくて、愛おしい二人と師。
 そして瞬間、遠坂とアルトに一発ずつ殴られた。
 手加減しているとはいえボロボロの体には堪えた。
 だが殴られても仕方がない。

「これで私たちを置いて行ったのはチャラにしてあげる
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