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英雄伝説〜灰の軌跡〜 閃V篇
第72話
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連れ戻せると信じて。

―――そうしてエマは16歳になり、渋る長から巡回魔女の資格を認められた。在野の魔女なんかの協力も得てトールズを受験し、奨学生の資格も得て……そして17の春、旧Z組と出会い、その半年後に起こった内戦でアンタと出会った。


「………ありがとな、セリーヌ。ようやくエマやクロチルダさん、セリーヌのこともわかってきたよ。」
セリーヌが過去の話を終えるとリィンが感謝の言葉を述べた。
「ま、部外者には禁じられてるけどアンタたちZ組や特務部隊はもう身内のようなものでしょうし。”長”が認めてくれるよう、そのあたりはエマが掛け合ってたわね。」

「そうか…………クロスベルでの別れ際に俺に預けてくれたあのペンダントといい。通信でもいいが―――どうかお礼を言っておいてくれ。」

「あー、自分で言いなさい。近いうちにまた会うんでしょ?」


―――リスナーの皆さん。それでは今週はこのあたりで。ふふっ……セリーヌ、リィン君も今夜は早く寝た方がいいわね。

そしてアーベントタイムの終わり際にミスティ――――クロチルダがリィンとセリーヌを名指ししての言葉を口にすると二人はそれぞれ驚きの表情を浮かべてラジオに視線を向けた。
「い、今のは…………」

「まったくあのアマは………多分、因果を先読みしてアタシたちだけに聞こえるメッセージを録音に仕込んでいたみたいね。」

「さ、流石にとんでもなさすぎだろう…………」

「そうね。エマも届きつつはあるけど、ヴィータの魔女としての力は強大よ。それでも、万能じゃないわ。結局、メンフィルや鉄血宰相にしてやられて、”結社”にも追われてるみたいだし。」

「…………”結社”の計画を乗っ取った宰相、そして謎の動きを見せる”黒の工房”、双方にとって想定外(イレギュラー)の存在であるメンフィル・クロスベル連合…………クロチルダさんが言っていた”真なる物語”というのもあったな。」

「ええ、1年半前の煌魔城の出現で『結末を変えようとして失敗した』とも。ヴィータはふざけた性格だけど適当な嘘やデタラメは言わないわ。必ず存在するのよ、その”危機”は。」

「…………ああ…………―――そうか、行くんだな?ここまで重要な話をしてくれたってことは…………」
セリーヌの忠告に頷いたリィンはセリーヌの意図を察してセリーヌに確認した。


「ま、餞別代わりね。内戦の間では伝えきれなかった話も伝えられたし、アンタの生徒になったあの白き魔女からも他にも聞きたいことが聞けたし。明日の朝、アンタの従妹と一緒にお暇することになるわ。今度会うときは、”Z組と特務部隊全員”の再会に立ち会う時かしら?」

「はは、そうだな。」
その後セリーヌが部屋を出ていくとリィンは明日
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