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麗しのヴァンパイア
第九十四話

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            第九十四話  図書館で調べても
 華奈子と美奈子は昼食の後鉄仮面にさらに興味を持った、それで華奈子は美奈子にこう提案したのだった。
「ねえ、図書館に行って」
「そこでっていうのね」
「鉄仮面のこと調べない?」
 こう提案するのだった。
「そうしない?」
「いいわね」
 美奈子は華奈子に真剣な顔で答えた。
「お父さんとお母さんもわからなかったし」
「そう言われると余計によね」
「ええ、興味持ったわ」
「あたしもだから」
 華奈子は目をきらきらとさせて言った、興味の対象に向かおうという好奇心と動こうとする意識が出てのことだ。
「だからね」
「ここはね」
「ええ、図書館に行って」
「そこで調べるのね」
「鉄仮面に書いた本で調べて」
「いいわね、じゃあね」
「今から行こう」
 こう言ってだった。
 二人は街の図書館に行って鉄仮面について書かれている本を片っ端から読んだ。だがどの本を読んでもだった。
 鉄仮面の正体についてはっきり書かれた本は一冊もなかった、どれも推察ばかりだった。それでだった。
 華奈子は閉館時間になったところで美奈子に言った。
「ねえ」
「ええ、閉館だから」
「帰ろう、けれどね」
「それでもよね」
「わからなかったわね」
 華奈子は美奈子に難しい顔でこうも言った。
「図書館に行っても」
「本当に誰も知らないみたいね」
「ネットでも調べてみる?」
 華奈子は美奈子に今度はこう提案した。
「そうする?」
「そうしてなの」
「そう、そしてね」
 そのうえでと言うのだ。
「正体突き止めよう」
「ネットでもわかるかしら」
「わからないかも知れないけれど」
「まず調べてみる」
「そうしましょう」
 まずはとだ、こう言ってだった。
 二人は閉館する図書館を後にした、そうして家に帰ってだった。今度はネットで鉄仮面のことを調べるのだった。


第九十四話   完


                 2018・10・3
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