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ノーゲーム・ノーライフ・ディファレンシア
第2部 ゲーマー少年は唯一神と暇潰しをするようです
第1話 挑戦状
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を揺らす。
傷んだ髪の毛は茶色。闇よりなお黒い目は、しかし確かな光を湛えている。
その光?────眼光が照らすのは、二人の男女。差し当たり今は、一機のDSPを二人で操作している青年と少女だった。

「おいおい、『  』は二人で一人だぜ?そいつは愚問だろグシ」

少年?────グシと呼ばれた彼に向けて、不敵に言い放つ『  (ふたり)』。
空?────18歳、無職、童貞、非モテ、コミュニケーション障害、ゲーム廃人。
白?────11歳、不登校、友達なし、いじめられっ子、対人恐怖症、ゲーム廃人。
ダメ人間を絵に描いたならばこうだろうと誰しもが納得するダメ人間(ゲーマー)2人??────自他共に認める、2人で1人のゲーマー。
そんな2人を前に、『2人でコントローラーを操作して何故勝てるのか』?などと?────疑問に思う事さえ馬鹿らしい自明だろう。
空はそう不敵に笑って、さらに言葉を重ねる。

「加えて言えば、お前は今まで仮面(シグ)に頼りっぱなしだったろ?それを捨てたんだ、まだ発展途上だろ」

暗に「まだ強くなれるし、現に強くなってる。めげずに頑張れ」と、毒気なくアドバイスする空。
そんな空の()()()に、グシは『余計なお世話だ』と言いたげな眼をして苦笑した。

虚像(シグ)だった頃は本当に努力が疎ましかったが?────今は楽しく感じてる。気遣いなんざ要らねぇよ」

?────壊れない為だけに、壊れるまで努力した至愚。
そんな過去を思えば?────こんな楽しいゲームで自棄になるなど、考えられない。
空は恐らく、負け続けのグシが()()()()()()()狂う可能性を危惧したのだろう。だが、その考えは杞憂と言わざるを得ない。
なぜなら、グシは今非常にゲームするのが楽しいのだ────努力こそすれ、狂うなどあまりに勿体ないだろう?
グシはそんな意図を内包して、忌憚なく笑った。
その表情に、一切の嘘がない事が分からない空ではない。心配は不要かと、認識を改めるようにこう口にする。

「そいつは良かった。なら?────早速次のゲームだな?」
「当たり前だ。次は勝ってやるよ」
「寝言は、寝て、いうの……勝つのは、『  』」

空の発言に、グシは二つ返事で応える。白の挑発的なセリフにも、挑戦的な視線で応える。
そして3人は静かに手を掲げ?────宣誓の言葉を吐いた。

「【盟約に誓っ(アッシェン)?────
「待ちなさいなッ!?お三方、いい加減内政に手をつける気はないんですの!?」

?────訂正しよう。宣誓の言葉は吐けなかった。
さてその宣誓を阻んだ犯人は?────気品のある顔立ちを目の下のクマで台無しにした、赤毛の少女だった。

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