序章 一つの終幕、そして新たな開幕へ...
[1/4]
前書き [1]次 最後 [2]次話
この世界は、外史の中でも異常にして異形。三国の世とは似て非なるものである。この世界で産まれた者は、女であれば自由に生き道を決め、健やかに幸せに暮らせる。だが男であれば、容赦ない冷酷なる残虐と残酷、そして慈悲の無い殺し合いが渦巻く暴力の世界へと叩き落されるのだ。
その残酷な運命は子供時代から始まり、六歳において直ぐに“試練”を受け、そこから人道から掛け離れた存在へと昇華する。そして“試練”から生き残った男児、稀に女子も、身体の中に全てを圧倒する力を具現する“鎧”を宿して、己の望む道を創造する。
その道を築く者は幾つも居り、野心を抱く者、殉ずる何かの為にいる者、理想と愛の為に生きる者、そして...己の力を以って、弱気者たちの為に猛り狂う修羅となる者.....。
彼らはその広大な世界にて、激しい戦を繰り広げて己の望む理想郷を実現しようとぶつりかりあった。幾度の戦で多くの者達が消えた。愛する者を、掛け替えの無い人たちを失いながら、彼らは殺し合った。
そして漸く、この世界における最後の戦が終ろうとしていた.....。
???「はあああああああああああぁぁぁぁぁぁっ!!!!」
戦場の中心で女性の掛け声が響き、二人の男女が互いの武をぶつけ合っていた。
女性の方は前髪に二房の長い癖毛、腰にまで伸びた白銀の長髪を靡なびかせる。そして彼女が纏う鎧は、青と銀という光輝いて神々しく、まるで神話に登場する戦女神そのものである。
対する男の方は身長が200は在ろう、頭から足のつま先まで黒と赤で彩られた禍々しい鎧を纏って、
歪で凶悪そうな巨大な方天画戟をまるで軽いモノを扱うかの如く振るう。冷酷に、冷血に、残酷に、残虐に、眼の前の女性を殺そうとする。
女が叫びながら言う。
女「いい加減に降伏しろ!!この戦、既に我らの勝利だ!!お前の負けだ!!
お前の後ろを見てみろ!!」
彼女に言われ、男は自身の後ろを見た。そこには自身に付き従いここまで共に来た家臣や兵士たちの物言わぬ亡骸ばかりしかなく、自分以外に生きてるとすれば自分が信じ心から、許し合える家族同然に共に生きてきた自身よりもデカく、身の丈が3メートル以上はあろう自分と同じ色をした鎧を纏った愛馬のみであり、その愛馬... 雷轟はそこから一歩も動かず、ただ主であり兄弟同然の自分の勝利を信じ待っている姿のみである。
雷轟「ばふ!!」
雷轟は「自分に構わず、眼の前の死闘に集中してくれ」と言うかの如く、ただ吠えた。
男「....」コクッ
と、男は静かに頷き返し再び彼女に向き直り、また容赦の無い一撃を振りかざす。
前書き [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ