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【完結】猫娘と化した緑谷出久
猫娘と神野区異変編
NO.085 出久救出に向けて生徒達は…。
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「緑谷を助けに行ける計画は一応はあんだよ」

その一言がその場にいる全員に行き渡って全員はどういう事かを発言者である切島に問う。

「どういうことだ切島? 出久を助けに行けるってのはどういうことだ?」

当然、爆豪はすぐにその話に食いついた。
切島はそれで昨日にあった出来事を全員に説明するように話し出す。

「実は俺と……轟は昨日にも面会に来ていたんだよ」
「ああ」
「そこでな……」

切島は昨日あった話をする。
内容としては、入院中ではあるが意識は取り戻している八百万がオールマイトと塚内ととある話をしていた。
要約すると開闢行動隊のヴィランの一人、脳無に発信機を取り付けることに成功したというもの。
八百万はオールマイト等に是非これを使ってくださいと受信機を渡していた。

その話を全員に教えて、飯田が口を開く。

「……つまりは、その受信デバイスをまた八百万君に作ってもらう……と?」

飯田の口調は少しであるが棘が含まれていた。
当然納得できるわけがない。
思い出すのは保須市での独断での行動で痛い目を見た飯田。
それも踏まえてこれは自分たち生徒が口を突っ込んではいけない領分だ。
だから飯田は咆えた。

「オールマイトの言うとおりだ! これはもう俺達のできる際限を越えている案件だ。大人しくプロ達に任せるのが正解だ! 俺たちの出ていい舞台ではないんだ、馬鹿者!!」
「そんなもんは分かってんだよ! でもよ、俺はあんときなんもできなかった……ッ!!
仲間が狙われているってのに、なんっっも出来なかったんだ!! しようともしなかった!!」

飯田の言葉に切島は己の激情を吐き出す。
そして自身のヒーローを志した思いを曲げる事などあってはならない。
思い出すのは中学生時代……。
ある時に同級生だった芦戸を含めた生徒たちがヴィランらしき奴になにやら脅されているようで、それでも切島は足が竦んでしまい、助けに行くことができなかった。
それが切島の心に影を落とした。
その夜に自暴自棄になってヒーローの道を諦めかけた時にたまたま投げた本が本棚にぶつかって落ちた本の一冊に投影マシンが入っていて勝手に起動しだして、そこには己の憧れである『紅頼雄斗(クリムゾンライオット)』の映像が再生された。
そこで話される紅頼雄斗(クリムゾンライオット)の思いを再度聞く。
そしてある言葉が切島をヒーローの道へと誘った。

『ただ後悔のねぇ生き方、それが俺にとっての漢気よ!』

それがどれだけ切島に勇気を与えてくれたことか。
そして最後に切島はこう吐き出す。

「ここで動けなきゃ俺は、ヒーローでも男でもなくなっちまう!!」
「切島……」

芦戸も切島の気持ちを知っているから強く言葉を出せない。

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