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オズのエリカ
第十一幕その七
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「そうしていきましょう」
「それじゃあね」
「うん、この街はいい街だよ」
「いい造りだよ」
 かかしと樵も言いました。
「よく整っていてね」
「行き来しやすいしね」
「清潔にしやすいし」
「これならいいと思うよ」
「そうですね、あっという間に出来たにしても」 
 アンが二人に応えました。
「凄くよく出来ていますね」
「そうした街だね」
「きちんとまとまっているよ」
「エリカってひょっとして」
 こうも言ったアンでした。
「閃きが凄いのかしら」
「絶対にそうだね」
「そのことは間違いないね」
 かかしと樵はまたアンに言いました、その街を見回しつつ。
「閃いてここまで街を築けるから」
「かなりの閃きだと思うよ」
「そうですね、ただ閃きは凄いけれど」
 それでもとも思うエリカでした。
「問題は気まぐれでしかも続かないことですね」
「すぐにあっちこっちに気が向いてね」
「それで集中力もないんだよね」
「本当にそこが問題だね」
「エリカの場合は」
「それ凄く猫らしいですね」
 ジョージも整った街並を見て感心しつつ述べました。
「実際に」
「うん、そうだよね」
 神宝はジョージの言葉に頷きました。
「エリカは猫らしいよね」
「よくも悪くも」
 今度はナターシャが言いました。
「エリカはどの猫よりも猫らしいわ」
「そうだよね」
 カルロスも言います。
「閃きタイプで気まぐれで」
「頭はいいけれど集中力が続かないのよね」
 恵梨香は自分の名前と同じ発音のせいかこのことを残念に思いました。
「どうにも」
「そうした娘だから」
 本当にと言ったジョージでした。
「僕達から見ても猫らしいよ」
「あそこまで猫らしい猫は」
 まさにと言ったドロシーでした。
「オズの国にはいないわ」
「そうですよね」
「ええ、ただね」
「ただ?」
「考えてみればあの娘があれでね」
「あれで?」
「迷ったりあれこれ心配していたら」
 エリカがそうしたことをしたならというのです。
「違和感があるわね」
「確かに。凄い違和感がありますね」
 ジョージもその通りだと頷きました。
「そうしたエリカは」
「どうにもね」
「じゃあエリカはあれでいいんですね」
「結局そうなるわ、見ていていいのかしらって思うけれど」
 心配になるけれど、というのです。
「ああしたエリカでないとね」
「エリカじゃないって思いますね」
「そうなるわ、じゃあね」
「今尾ですね」
「これでいいってことね」
 ドロシーはこう言って納得しました。
「つまりは」
「そうなりますか」
「そうね、じゃあ十時までこの国を見て回って」
「そしてですね」
「十時にはエリカのところに行って」
 そしてというので
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