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稀代の投資家、帝国貴族の3男坊に転生
94話:墓穴
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回廊の向こう側のアイゼンヘルツ星域には大規模な駐留基地があると聞きます。同盟がフェザーンに進駐したとしても、そこから侵攻する事は難しいでしょうし、保守派を帝国の中心と外縁から挟撃できる体制でもあります。今更ですが、これも彼の仕込みですからね。かなり以前から『内戦』も想定して動いていたのでしょう。彼がこちらに生まれてくれていたらとつくづく思いますね」

ヤン先輩がため息をこぼしながら本音を漏らした。親父の調べによると『伯爵家の当主』でありながら気さくな人柄なうえに、身分を問わずに抜擢もするし、その後のフォローも欠かさない。親父に言わせると『理想の雇い主』らしいし、聞く限りでは『当たりの上官』ではあるだろう。そしてかなり以前に打った手が後々にもう一度活きてくるあたり、優れた『戦略家』でもある。シトレー校長ならともかく、あの『事なかれのサンフォード』や『ファッション右派キャスター』では太刀打ちできる相手ではないだろうな。俺もため息をつきたくなった。
とはいえ、独裁制に対抗するために同盟が軍事独裁政権化するとしたら、それこそ、本末転倒だ。同じようなことを先輩方も考えたのだろう。視線が合うと2人とも苦笑いをしていた。今期から正規艦隊司令部の参謀役に転出するが、戦略的なことも考えたほうが良いのだろうか?さすがに部を越えたことをあれこれ考えて、本分がおろそかになっては、それこそ本末転倒なのだが......。
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