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問題児たちが異世界から来るそうですよ?  〜無形物を統べるもの〜
一族の物語 ―交わした約束― @
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その日その瞬間が訪れたとき、外道は特に何か思ってはいなかった。
面白い勝負になるだろうとは考えていた。それなりに楽しいゲームになり、満足感を味わうことが出来るだろうと、その核心はあった。

その日その瞬間が訪れたとき、少年少女たちが抱いていたのは『挑戦』の二文字だった。
自分たちと比べ、はるか高みにいる人間への挑戦。勝たねばならない戦いであり、勝ちたいと願う戦いではあったものの、しかしその行いは『挑戦』の二文字で表されるものだ。

故にこそ、眼前へ広がる光景は。外道にとって、想像をはるかに超える高揚感を与えた。
故にこそ、現実となったその光景は。少年少女にとって、何も考えられないほどの衝撃となった。

いかな神霊も越えられず、いかな英雄にも踏破不可能なはずの、外道の主催者権限。しかし、忘れてはならない。

いかなる時代、いかなる世界においても。不可能を踏破するのは。
それをはるか高みであると自覚した上で挑む、大馬鹿者だけなのだ。



 ========



その場はある種、地獄の具現と呼べる場であったのかもしれない。
ただこれだけ言うと誤解されてしまいかねないのだが、別に死体が転がっているとか、血の池があるとか、そういうわけではない。そう言った視覚的なものではないのだ。

では何であったのかといえば、だ。

「……酷い血の匂い。それに、何かを焼いた臭いも」
「おー、さすが耀は鼻がいいな。処理したのちょい前なんだけどな」
「隠す気ないのに、よく言うよね」
「ハハッ、まあバレるよなぁ。隠す理由もないし」

と、そう呟いて。一輝は椅子代わりにしていた切り株から離れる。この後何をするか、彼らが何をしに来たのか。それは分かっているはずなのに、ただ友人へ近づくときのように軽い足取りで。

「そういや、悪かったな。あの後俺が雲隠れしたせいで面倒事、あっただろ?」
「ああ、思いっきりあったな。おかげさまでリーダー代行代行として楽しくもねぇお話に参加させられた」
「うわー、それはマジで面倒だな。やっぱ俺リーダー代行十六夜に任せるわ」
「ざっけんな、とっとと代行に戻れってんだ」

それは決して簡単なことではない。討伐対象にはされていないし、大手の神群は基本気にしていないが、それは『倒せないから』という一点のみが理由だ。決して許されたわけではない。
故に、戻ってくる手段は簡単ではなく、限られている。

一つは、白夜叉のようにどこか大きな神群へ帰依すること。どこか、その存在を保証してくれる、その保証が十二分な証明となりうる集団に保証してもらう手段だ。しかし現状、アジ=ダカーハという神殺しの力を保有する一輝にこれは難しいだろう。
であれば、取ることのできる手段は別のものになり。それはこの上なく、単純
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