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稀代の投資家、帝国貴族の3男坊に転生
91話:苛政
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が強かったやも知れません。感受性が強い部分もありますが、もともと軍部系貴族は帝国の中でも比較的まともですから。帝都に近い星系でこんな有様を放置していたとなると、政府系貴族への不信感はつよまるばかりでしょうな」

「うむ。政府系貴族の対応は別にして、直近の問題は惑星ケーニッヒグラーツの復興と開発だ。既に1000万人分の支援物資は手配済みだ。数日以内にそちらに到着するだろう。必要な物があれば遠慮せずにメックリンガー中佐に一報を入れてくれれば手配されるようにしてある。治安維持部隊も何かと感じる所があるだろう?酒も多めに手配し置いたから領民たちを含めて、振る舞ってやってくれ」

「ありがとうございます。復興と開発とのことでしたが、復興プランは確認しましたが、開発までこちらで担当するのでしょうか?てっきり接収が終われば後は政府が担当するかと存じましたが......」

「その件だがな、ベーネミュンデ侯爵夫人と相談して、惑星ケーニッヒグラーツはディートリンデ皇女殿下の化粧料とする事にした。どのみち政府に追加予算を組める余裕はないし、惑星ひとつを再開発できる人材を割くこともできないだろうからね。先ほど陛下の内諾を頂いた所だ。兵士たちも復興支援任務で身体を動かせば、多少は気がまぎれるだろう?既にアルブレヒトとシルバーヴェルヒに開発プランを練らせているし、隣接するマリーンドルフ伯と合資会社を設立する契約を取り交わした。5年もすれば皇族の領地として恥ずかしくないものとなろう。政府の尻ぬぐいをするようで癪だが、領民には関係ない事だ。後見人としても、皇女殿下のご領地が荒れ果てたままにしておくにもゆかないだろうからね」

伯の財布は本当に底がしれない。本来ならお取り潰しとなったカストロプ公爵家の財産を使って復興予算とすべきところだが、その財産のほとんどは汚職によって得たものだ。政府は国庫に納めるのが順当だと考えただろうし、そうなると思いきった復興予算はつかない。だが、このままでは軍部系貴族と辺境領主のみが、帝国への貴族としての責任を果たしているように兵たちには映るが、その辺りは配慮しなくて良いのだろうか?

「伯、このままでは兵たちの政府と門閥貴族への不信感は強まる一方ですし、兵はともかく青少年には多少はケアが必要かと存じますが......」

「代々の稼業だからといって、適性も自覚も無い人間が責任ある役職に就くことは帝国にとってプラスにはならないと、もっと多くの臣民が気づくことになればそれで良い。宇宙の統一の為には、少なくとも適性と自覚がある人材がしかるべき役職に就くようにならなければ無理だ。あまり大声で触れ回る必要もない。そんな事は皆が日々うすうす感じている事だからね。それとミューゼル卿にも復興・開発に関して自分なりに見解を用意しておくように伝えてもらえる
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