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デジモンアドベンチャー Miracle Light
第24話:不器用
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ったが、太一は微妙な表情で大輔とヒカリの後ろ姿を見守った。

「まあ、元気出せお兄ちゃん」

「そうそう、生きてればいいことあるわよお兄ちゃん」

ヤマトと空が慈愛に満ちた目を太一に向けながら肩に手を置いた。

「うるせえやい!!」

太一の叫びに子供達に笑いが出た。

「む?」

「どうしたんですか?」

悠紀夫のパソコンにメールの着信があり、悠紀夫は再びパソコンを開いてメールの内容を確認する。

「……どうやら、ゲンナイさんからのメールだ。ヴァンデモンを倒すヒントだそうだよ」

「ヴァンデモンを倒すヒント?ヴァンデモンはとっくに……」

「いや、大輔。ヴァンデモンがまだ生きているならこの霧が未だに晴れないことに納得が行く。まずはメールを読んでくれませんか?」

賢に促された悠紀夫はメールを読み始めた。

「ああ、“初めに蝙蝠の群れが空を覆った。続いて人々がアンデットデジモンの王の名を唱えた。そして時が獣の数字を刻んだ時、アンデッドデジモンは獣の正体を現した。天使達がその守るべき者の最も愛する人へ光と希望の矢を放ち、聖騎士が守るべき者の最も信頼する者に奇跡の光を放った時、奇跡が起きた”と書いてある」

何が何だかさっぱりといった風に首を傾げる子供達。

しかし悠紀夫はパソコンを閉じて子供の達に向き直ると、ゆっくりと口を開いた。

「確かに今は何のことか分からないが、何れ分かるかもしれない。みんな、一応このヒントを頭に入れておいてくれ」

【はい!!】

「(浩樹……お前の帰る場所をあんな悪魔の好きにはさせない。俺には戦う力はないが、俺に出来るやり方であの子達と共に戦う…)」

ロンドンにいる親友の帰る場所を自分なりのやり方で守ると決めた悠紀夫はヤマト達を車に乗せるとフジテレビに向かった。

残りの面子はビッグサイトに行き、バケモン等の見張りを蹴散らした。

「…本当に眠ってるんだな」

「うん…」

部屋に飛び込んだ子供達が目にした光景の異様さに全員が言葉を失った。

捕らわれた人々は、冷たい床の上に寝かせられていたのである。

きちんと整列させられている様は、どこか供物を並べているような印象を与えた。

「お母さん…お父さん…」

「すまないヒカリ。私がヴァンデモンの野望に力を貸したせい…あだっ!?」

不安そうに両親を見つめるヒカリにテイルモンは辛そうな表情で謝罪…しようとした瞬間に脳天に衝撃が走り、間抜けな声を出してしまう。

テイルモンの目から星が飛び散り、脳天から痛みと熱が徐々に広がって行く。

誰に何をされたのかは振り向けば直ぐに分かる。

ブイモンが利き腕ではない方の腕をプラプラさせながら呆れたような顔をしていたからだ。
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