暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン 〜紫紺の剣士〜
アインクラッド編
18.花咲く庭で
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に言うと大丈夫だろう。
「シナモン!?」
「ナツ、うるさい」
タクミが小声でナツをたしなめた。
一通り店を回り終わった俺たちは、次にフィールドに出た。経験値稼ぎと食料収集を兼ねているので、勿論ナツが主導である。今回の目的は45層にいる鹿っぽいモンスターの肉だった。ただし、本当に鹿肉の味がするのかどうかは謎である。
「ジビエ料理に挑戦したいんで!」
楽しそうにナツが言った。普段の料理に使っている肉は大体狩りでドロップしたものを使っているから全てジビエ料理といえばジビエ料理なのだが、そこは突っ込まなかった。



***


「スイッチ!」
リヒティが叫びながら後ろに飛びのく。前に飛び出したクリスティナは槍スキル《ダンシング・スピア》を発動。槍の穂先が花の頭を持ったモンスターを正確に抉り、モンスターは青いガラスとなって砕け散った。
「お見事」
「当然」
2人は顔を見合わせてにっこりと笑いあう。
「巨大花の森って綺麗だけどちょっと薄暗いわね。まだ3時なのにもう夕方みたい」
「確かになぁ」
リヒティがそう返事をしつつ左手を差し出すと、クリスティナは右手を絡めた。そのまま花と花の間を歩いていく。
「この辺はゆっくり回ったことがなかったからなぁ。今度はあいつ等もつれてくるか?」
「・・・正崇(まさたか)
「はい!」
急に本名を呼ばれてリヒティは思わず背筋を伸ばした。クリスティナは目を細めてじろりとリヒティを睨む。
「せっかく2人だけなのに、皆の話をするの?」
「・・・悪かったよ、有世(ありせ)
ぽんぽんと頭をなでると、満足そうにクリスティナは笑って顔を寄せた。リヒティも答えようとした、その瞬間。
クリスティナの背後で何かが光ったのを、リヒティは見た。
「ッツ!」
クリスの体をあらん限りの力で左に突き飛ばし、右手でメイスを体の前に運ぼうとする。しかし間に合わず、何かが右肩に突き刺さった。
「正崇ッ!」
クリスティナが悲鳴をあげる。大丈夫だと言おうとして、不意に全身の力が抜けた。
HPバーの横に、雷マークのアイコンが点灯している。麻痺だ。
ガサガサと茂みの向こうからプレイヤーがやってくる。
そのアライメントの色はオレンジ色。
つまり、犯罪者プレイヤーだ。
「クッソ・・・!」
「リヒティ、早く!」
解毒結晶で麻痺状態を解除し、クリスティナはぐいっとリヒティを引っ張って立たせた。巨大化の森の出口に向けて逃げようとするが、既に犯罪者プレイヤーに囲まれていた。
「いやぁ、浮かれたカップルを襲うのは実に簡単だぁ。なぁ皆?」
リーダーらしき人物がニヤニヤ笑う。
背筋に冷たい汗が流れるのを感じながら、リヒティとクリスティナは背中合わせに立ち、得物を握りしめた。
「・・・クリス、隙を見つけて転移結晶で
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