暁 〜小説投稿サイト〜
戦国異伝供書
第十八話 道を走りその四

[8]前話 [2]次話
「伊達家との戦も考えておくことじゃ」
「そして、ですか」
「伊達家との戦になれば」
「その時はですな」
「奥羽もじゃ」
 この地域もというのだ。
「織田家のものになるやもな」
「それではですな」
「伊達家との戦になれば」
「奥羽も手に入れ」
「治めますか」
「そうする、ただあの場所はすぐに冷害になる」
 信長は奥羽のことのことについても話した。
「だからな」
「それで、ですな」
「政を他の場所よりも確かに治めていく」
「そうしますか」
「米の他にも作らせる」
 食えるもの、主食となるそれをというのだ。
「麦や蕎麦をな」
「そうしてですか」
「あの場所の民達を餓えや貧しさから救う」
「そうしますか」
「そうせねばならん」
 何があろうともとだ、信長は家臣達に話した。
「だからな」
「それで、ですな」
「奥羽も豊かにしますか」
「他の場所の様に」
「そうしていきますか」
「そうする、そしてじゃ」
 さらに言うのだった。
「やがては蝦夷もな」
「蝦夷もですか」
「あの国もですか」
「治めますか」
「やがては」
「うむ、今すぐではない」
 奥羽を手に入れてもというのだ。
「蝦夷には松前氏がいるがな」
「あの家については」
「どうにも縁がありませぬな」
「話もあまり聞きませぬ」
「どうにも」
「わしもよく知らぬ、しかしじゃ」
 さらに言うのだった。
「蝦夷も本朝の国じゃ」
「ならばですな」
「あの国も手に入れて治める」
「そうしますか」
「そうする、必ずな」
 これも信長の考えだった。
「先のことにしてもな」
「蝦夷は寒いと聞いております」
 明智が考える顔になり言ってきた。
「そして松前氏が治めるのは蝦夷の少しばかりで」
「蝦夷がどういった場所かはじゃな」
「まだわかっておりませぬ」
「その様じゃな」
「しかしその蝦夷も」
「治める、徐々にでもじゃ」
「その蝦夷を北に進みますか」
 明智は信長にさらに問うた。
「そうしてあの地を詳しく知りますか」
「そういえば蝦夷の地は」
 その蝦夷地のことについてだ、小西も述べた。
「まだその全てがわかっていませんな」
「そうじゃ、どの様な場所かな」
 まさにと言うのだった。
「殆どわかっておらぬな」
「松前家の治める場所はわかっていますが」
「しかしじゃな」
「そこから北はわかっていませぬ」
「だからじゃ」
 それでと言うのだった。
[8]前話 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ