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ツインズシーエム/Twins:CM 〜双子の物語〜
ツインレゾナンス
第29話 灼熱の吹雪
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 エースの想いがこもった拳により、森の中で最後の戦いの幕が開けた。

 風による速度のブーストを受けた攻撃は、先ほどの戦闘よりも遥かに速い速度で一発を入れていた。そのため、その拳を受け身を取る暇もなく受けたエアードが、幾本かの木々を通り過ぎながら吹っ飛んでいく。


 しかし、今相対しているのはエアードだけではない。1対2であることの利点を生かし、隙の出来たエースにフォーティスの凶刃が迫る。剣を構えてエースを殺すべく迫る姿は同じだが、先ほどとは勝手が違う。

 反応が間に合ったエースは振り向きざまに高速造形した剣を振るい、そのまま鍔迫り合い状態となる。重なり合う剣を挟んで、言葉が交わされる。

「また殺されてぇみたいだな!」

「殺されるつもりはないな!」

 両者が一度今の状態を解除し、剣と剣が離れる。次の行動に移ろうとするエースよりも早く、フォーティスがエースの右側に回り込もうとするが……

「読めてるよ」

 そんなセリフを言ったエースの体当たりが、剣を構えたことにより隙の出来たフォーティスよりも速く入る。

 エースの剣を振り上げたモーションは、わざと隙を作ってフォーティスを誘導するためのフェイク。それを見抜けずにエースの攻撃がクリーンヒットし、フォーティスは受け流せずに後ずさる。

「『リオート・ヴィント・フルバレット』」

 そこに追い打ちをかけるようにして、容赦ない氷の雨がフォーティスへと降り注ぐ。風によってさらに速度を増し、加えて途切れない攻撃は1本の剣では防ぎきれず、フォーティスをそのままさらに後ろへと押していく。

「隙だらけですねぇ……!!」

 その間に、いつの間にか吹き飛ばしたはずのエアードがエースの背後に回る。発言から魔法発動までの間の時間はほとんどなかった。

「ほらよっ!」

 だがしかし、その攻撃はそちらを振り向くことなくエースが形成した氷の厚い壁で簡単にシャットアウトされた。エアードが何度も魔法を打ち付けるが、そう簡単に壊れるような様相は見せていない。

 エースの操る氷属性は、地属性に次いで防御力の高い属性とされる。造形をある程度極めれば壁の高速造形など容易く行えるからだ。炎に弱いという点から次点に甘んじているものの、操作性では地属性など軽くしのぐ。

 そんな属性に対して、一発に難のある風属性魔法は相性が悪い。季節が夏であるが故に耐久性にはやや不安が残るが、元々数撃って当てるタイプになら十分な効果がある。

「この攻撃ならどうだ!!」

 予想より早く復帰したフォーティスが、氷を突破してエースへと迫る。先ほど気にしていた耐久性の問題が、早くも出て来たようだった。

「くうっ……!?」

 先ほどと同じ勢いに任せた攻撃は、軌道として
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