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稀代の投資家、帝国貴族の3男坊に転生
84話:派閥
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っているんだが......」

「准将の立場では仕方ないでしょう?俺だって自分の部下を戦死させたくはありません。ましてや本来すべきことを怠って戦死させられるなんて御免ですよ。それよりロボス提督はなにをお考えなんでしょう?シトレ提督との出世争いを巻き返すために国防委員会に近づいた結果、宇宙艦隊に明確に派閥が出来ましたし、信賞必罰は崩れ気味。その上、実戦部隊と支援部隊の軋轢まで作り出すとは。
次は何をしでかして同盟軍を弱体化させるのか、今から楽しみでおちおち昼寝も出来ません。幸いなことに、私はウランフ提督の艦隊に所属していますから良いですが、あちらさんに配属されるような事でもあれば目も当てられませんよ」

「アッテンボロー、この場では良いが司令部に戻ったら口は慎むようにな。もともと俺たちはシトレ大将に近いと思われている。そうでなくてもロボス提督からすれば、自分の取り巻きを押し込むはずだった艦隊司令官職を横から取られたとでも思っていそうだからな。お前さんの事だからその辺は弁えていると思うが、念のためな」

准将が苦笑しながらも念を押す。それ位の事は分かっているが、たまに場を忘れて本音が漏れてしまう事もある。それでウランフ提督に変にご迷惑をかけるのも不本意だ。心するとしよう。

「アッテンボロー、ヤンはビュコック提督の所へ転出するし、私はボロディン提督の所へ転出する。ウランフ提督の所にはパトリチェフ少佐もいたはずだ。司令官同士は、もともとビュコック提督が指導役だったという事もあり、忌憚なく意見を出し合う関係だ。司令部間でもそうなれれば良いと思っている。その辺の役割も期待しているから、しばらくは毒舌を押さえて、ウランフ提督に変に目を付けられないようにな」

「ラップ先輩までひどいですね。私はヤン先輩と違ってそれなりに空気は読めますし、退路もちゃんと確保していますよ。先輩こそ、婚約者持ちなんですから自重をお願いします」

予想外の反撃だったのか、ラップ先輩を苦笑させることが出来た。軍人でありながら精神論を重視しない話の分かる先輩方に何かと守って頂いているのは俺も理解している。司令部に戻ったらパトリチェフ少佐にも話を通しておこう。ただ、あの人は体格通り、酒量も半端じゃないから、付き合う方も大変なんだが......。だが、やろうと思ったことはしておくべきだ。怠慢で後悔するようなことがあってはならないだろう。

「婚約者と言えば、キャゼルヌ先輩の結婚式には何とかこの面子は揃って参加できそうでホッとしています。新郎はともかく、新婦には美味しい料理を振る舞ってもらいましたからね。御恩はしっかりお返ししないと......」

「あのなあ、お前さん方。その材料を調達しているのは俺だぞ?なら俺にも相応の敬意を表すべきではないのかな?」

「経営者志
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