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レーヴァティン
第七十八話 山の頂上の仙人その五

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「しかし」
「有り得るか」
「そうです、では」
「今からだな」
「彼女と会って」
 そうしてというのだ。
「お話をしましょう」
「ではな」
 英雄も頷いた、そうしてだった。
 一行はその南蛮服の仙女を待った、仙女は程なくして一行のところまで来てそのうえで雲から降りてだった。
 英雄達の前に来てだ、こう言った。
「私のお家に来るとはたい」
「九州弁か」
「私起きた世界では福岡生まれたい」
「それでか」
「博多の言葉たい」
 そうなっているというのだ。
「好物もそうたい」
「ラーメンは豚骨か」
「当たり前とよ」
 そこは外せないというのだ。
「そして鶏も好きたい」
「焼き鳥か」
「それは何でもたい、鰻のお握りに」
 これも好きだというのだ。
「明太子もとよ」
「好きか」
「そうたい、おうどんは柔らかくてたい」
 讃岐でなくというのだ。
「クエも河豚も好きとよ」
「河豚。そうだったな」
 英雄は河豚と聞いて一瞬違和感を感じたがすぐに気付いて仙女に返した。
「福岡でも河豚はな」
「下関だけじゃなかとよ」
「伊藤博文さんに最初に食ってもいいとされたな」
「由緒正しい場所とよ」 
 伊藤博文の功績の一つだ、日清戦争の後の下関条約の締結の為に下関で河豚を食べてそれで服を食べていいとしたのだ。
「だからたい」
「河豚を好きでか」
「私も好きたい」
「そうなのか」
「ただ。高いたい」
 河豚はとだ、仙女はこのことにも言及した。
「だから好きでもたい」
「あまり食えないな」
「そうたい」
 よく食べることは出来ないというのだ。
「それは残念たい」
「そうだな、しかしな」
「仙人が生臭ものを食ってもたいな」
「今挙げた食いものは全部だ」
 それこそとだ、英雄は指摘した。
「生臭ものだ」
「ラーメンも何もかもたいな」
「ラーメンのスープは豚骨でチャーシューも入っている」
 それならばというのだ。
「だからな」
「それはその通りたいが」
「この世界では違うか」
「生臭ものとかそういうものはたい」
「禁じられてはいないな」
「お坊さんもそうでとよ」
 それでというのだ。
「仙人、道士もたい」
「肉や魚を食ってもいいか」
「大事なのは命を粗末にしないことたい」
 このことがというのだ。
「だから私もたい」
「命はか」
「絶対に粗末にしないたい」
 例え肉や魚を食べてもというのだ。
「仙人じゃなくてもたい」
「そうしているか」
「起きた世界でもたい、勿論精進ものも好きたい」
 生臭ものも食べるがというのだ。
「苺や林檎、葡萄に桃に梨に枇杷にとたい」
「果物ばかりですね」
 このことは夕子が指摘した。
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