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稀代の投資家、帝国貴族の3男坊に転生
81話:恋愛模様
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うな評価を得なければ。リューデリッツ伯の次男は『遊び人』だなどと言われかねませんし......」

「大丈夫よ。少なくとも音楽の世界では、『天才フレデリックの父親はザイトリッツだった』と言われることになるわ。『そしてフレデリックの才能に最初に気づいたのはマグダレーナだった』と続けば嬉しいのだけど、それは望みすぎかもしれないわね」

少し寂し気な表情をしたマグダレーナを抱き寄せて慰める。きちんと一人前になってから名のある賞を取るたびに『この賞を、私の才能に最初に気づいてくれたマグダレーナ嬢に捧げます』といえば、そんな事は実現できる話だ。今夜はお互い予定を空けているし、まずは2人だけの演奏会をして少しでも安心してもらおう。数週間ぶりに感じられる彼女の温もりに安らぎを感じながら、私はそんな事を考えていた。

「ありがとうフレデリック、貴方との関係を隠すためにパトロン活動もしているけど、ベットを共にするのは貴方だけなのですから、私の事もちゃんと気にかけてね」

やはり寂しい思いがあったのだろう。私も参加したミューゼル卿への英才教育に彼女も参加していたが、芸術への見識だけでなく経営や事業立案の分野でも彼女は才能を示した。結果としてRC社の社外コンサルタントのような役回りをこなしているし、男爵家の領地経営も彼女が主体となっている。私も肌感覚で知っているが、どんなに準備をしても思惑通りに進まない事の方が多い。心労がたまっているのかもしれない。

「そう言えば、兄君のアルブレヒト様の婚約相手はルーゲ伯爵家のご令嬢になるそうね?地球教の件や、今後のテロ対策も考えれば司法省との連携は重要だろうけど、政府系で考えれば、カストロプはともかく、リヒテンラーデは候補になりそうなものだけど、なにか聞いているかしら?」

「おそらくマグダレーナの所にも報告書が回ると思うけど、臣民達の認識では、汚職し放題のカストロプ公とそれを野放しにしているリヒテンラーデ候という見え方になっているらしい。ルーゲ伯は何とかしようとしているが、動けずにいるという感じだね。軍人の大半は平民だ。今、リヒテンラーデ候爵家と誼を通じると、それを容認したと受け取られかねないという判断らしい。それに軍部と政府が近づきすぎれば、ブラウンシュヴァイク公爵とリッテンハイム侯爵を中心とした門閥貴族がどう動くが分からないしね。一応、パトロンの真似事もしているから、オーベルシュタイン卿がなにかと政局を教えてくれるんだ。変な縁になってもお互い為にならないからね」

「そう言う事だったのね。RC社経由で、しばらくは政府系の貴族とは大きな案件は進めない様にとの通達があったから、私の方でも認識はしていたのだけど......。地球教が取り締まられた際に政府系は次代の層の本命が巻き込まれたし、カストロプ公からは関与の証
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