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【完結】猫娘と化した緑谷出久
猫娘と強化合宿編
NO.079 回想と反転
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を抱いちゃダメ……』
『フォウ……? でも……』
『私が代わりにこいつをのしておくから、イズクはこの瞬間だけの記憶を忘れて……ね?』
『うっ……』

問答無用で出久はついさっきまでの感情と記憶をフォウに奪われて意識を失う。
そして表に出てくるフォウの意識。
そう……出久とフォウの意識が反転してフォウが今現在出久の体を操っている。
その急な変化にマスキュラーもすぐに気づく。
一歩後ずさりをして一言……。

「おい、緑谷。てめぇは……ダレだ?」

先ほどまでの余裕の表情を消し警戒態勢に入るマスキュラー。
それほどに今の出久(フォウ)は威圧感が半端なかった。
そしてまるでストレッチをするかのように軽い足取りで立ち上がった出久(フォウ)は何度か体を捻ったりしていた。

「うーん……久しぶりの体だからまだ少し鈍いかな?」
「てめぇは誰だぁ!!」

マスキュラーは未知の相手に何かされる前に潰す算段で出久(フォウ)に拳を振り下ろす。
だが、次の瞬間には出久の姿はまるで蜃気楼のごとく消え去った。

「ッ!? はえー!!」
「いやいや、まだ本調子じゃないから本気はこんなものじゃないよ?」

そう言ってチャシャ猫のように笑う出久(フォウ)

「い、出久お姉ちゃん……?」
「おっとそうだった。ボウヤ、今この瞬間の出来事は私と君との内緒でお願いできるかな?」
「え? え?」

口に指を持って行って『内緒ね』というジェスチャーをする出久(フォウ)
困惑の表情をする洸汰。
分からなくもない。
突然誰かも分からない人格の人が出てきたら混乱するのが普通である。

「まぁ、とにかく……イズク、使わせてもらうね?」

ワンフォーオールを発動して全身を強化する出久(フォウ)
そしてマスキュラーに脚力強化で一気に距離を詰めて思いっきりぶん殴る。

「ぐぅっ!?」

マスキュラーも危機を感じてか瞬時に筋線維での守りをするが、出久(フォウ)が使用したのは100%の力であった。
それで思いっきり吹き飛ばされるマスキュラー。
だが、同時に出久(フォウ)の腕もあらぬ方向に曲がっていた。
100%を使った代償は普通に計り知れない。

「あ、いっけない。そういえばまだ完全には使えないんだったね。うん失敗」

そう言いつつも一瞬で腕をオートヒールで元の形に復元する光景をマスキュラーと洸汰は見せられて、マスキュラーはその表情を凍らせて、洸汰に関してはもう顔が真っ青になっていた。
だが、出久も自壊覚悟でやろうと思えば使えないわけでもない手であり、出久(フォウ)は一応後でこの方法も出久に伝えようと思った。
出久はそんな事を聞かされても緊急時以外は怖くてできないだろうが……。

「それじゃ
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