暁 〜小説投稿サイト〜
天体の観測者
修行T
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めたところで結果は変わらない。
 リアスには行動で自身の夢を切り開き、意志を示してもらうだけだ。

「ウィス……」

 リアスはウィスの言わんとしていることを理解する。
 つまりウィスはこう言っているのだ。





夢を叶えたいのならば行動で示せ、と





 リアスはそれがウィスなりの激励なのだと理解する。
 慰められているわけでもなく、優しくされているわけでもないのに何故、こんなにも心に温かく響くのであろうか。
 自信の女王である朱乃がウィスを慕う理由が分かった気もした。





ウィス、ありが……




 
 リアスがウィスにお礼を述べるべく、背後を振り返ると─



 そこには元の男の姿に戻り、惜しげもなく裸体を晒すウィスの姿があった。
 リアスは湯船に頭から倒れ込み、湯しぶきを上げる。

 何とも大袈裟なリアクションだ。

「何で元の姿に戻っているのよ!?」

しかも胡坐で……!?

「大丈夫です。腰にタオルは巻いています」

そういう問題ではなくて……ッ!?

「それにしても、これで私に裸体を晒したのは三度目ですよ、リアス」
「ウィスだって人のことを言える立場!?」

 全くこれだから最近の若者は、と嘆息するウィスに向かってリアスが吠える。
 それにウィスが取り合うことは無い。

「今、私とウィス、とても良い雰囲気だったわよねェ!?」
「えェ、乙女ぇですかぁ……?」
 
 落ち着きがないリアスの額にウィスはデコピンを打ち込み、空中で一回転させ湯船へと吹き飛ばす。
 想定以上の威力にリアスは額を押さえ込み、湯船を転げ回った。

─最後まで何とも締まらないウィスであった─
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