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英雄伝説 閃の軌跡 王者の風
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シは気付かされた。師弟関係とは、いや、人同士の関係は教え教えられる関係なのだと。リィンよ、お主はユン・カーフェイに甘えているだけではなかったか?」

ワシの言葉にリィンの目が泳ぐ。

「図星か。それがユン・カーフェイがユミルを離れた一番の原因だろう。甘えたままでは成長できんとな。リィンよ、甘さを捨て、真に鬼の力を制御したいのであれば旅についてまいれ。お主が心より力を求めぬ限り鬼の力が暴走することはない。それはお主の心根がそうさせるのだろう。初めての時も、そして先日の時も、お主は守るために力を求めた。そして、その力のままに全てを傷つけたわけではない」

「どういう意味ですか」

「お主は妹御を守った。その事実を忘れるな。怯えられたのは仕方のないことだ。だが、鬼の力が有ったからこそ守ることが出来た」

「あっ」

「鬼の力を引き出している間、お主の意識は無いとしても、お主の思いには応えておる。恐れる必要はない。鬼の力も今ではお主の一部。受け入れよ、全てを。その先にこそ道はある」








「懐かしい夢だな」

全身に力が入らない。目を開くのすら億劫だ。視界が真っ赤に染まっている。記憶を掘り起こして最後の記憶を思い出す。確かセドリック皇子をテスタ・ロッサから引き抜いて、カイエン公が取り込まれて、霊力が底を付きかけていたヴァリマールで暴走を始めようとするテスタ・ロッサを道連れに飛び降りて。体が潰れた感触を覚えている。だが、オレは生きている。鬼の力とヴァリマールがオレを生かそうと力を与えてくれている。

自分がどんな状態かも、ヴァリマールがどんな状態なのかも分からない。一つだけ言えるのは、オレたちには休息が必要だってことだ。さっきみたいに、昔の夢を見ながら。


走馬灯じゃありませんように。



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