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レーヴァティン
第七十七話 八丈島その三

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「ありますね」
「そういえば役小角もな」
「はい、島にいまして」
「仙術で空を飛んでな」
「本土に渡っていました」
「そう考えると八丈島に仙人はか」
「妥当かと。ただ」
 ここでだ、こうも話した良太だった。
「意外だったことがありましたね」
「まさかぜよ」
 当季が頭を掻きながら言ってきた。
「おなごだったとはのう」
「それはでしたね」
「そうぜよ」 
 それでと言うのだった。
「意外だったぜよ」
「そうでしたね、しかし」
「これもじゃな」
「はい、有り得ることです」
「そうじゃな」
「仙人といいましても男性とは限りません」
 八丈島で集めた情報を総合するとそうだったのだ、この島には外から来た女がいる。その女は山の中に一人住む仙人つまり仙女だったというのだ。
 それでだ、良太もこう言うのだった。
「そう言われますと」
「わかるのう」
「はい、仙女でも」
 それでもというのだ。
「有り得ます」
「そうじゃな」
「はい、そしてですが」
「明日からだ」
 英雄は良太に腕を組んで応えた。
「すぐに山の中に向かってな」
「そしてですね」
「そうだ、その女に会いに行く」
 自分達の仲間だと思われる彼女にというのだ。
「いいな」
「はい、八丈島の山の中に入りますね」
「そして会ってだ」
 山の中に入ってそのうえでというのだ。
「そしてだ」
「さらにですね」
「仲間にする」
 こう言うのだった。
「必ずな」
「そうされますけね」
「そしてだ、それからだ」
「次の仲間の場所に」
「行く」
 八丈島にいる仙女を仲間にしてからのこともだ、英雄は話した。
「そうする」
「そうであります、では明日日の出と共にこの宿を出て」
 そしてとだ、峰夫も言ってきた。
「八丈島の山に向かいましょう」
「そうだ、朝早くだ」
「日の出と共に」
「この宿を出る」
「では」
「そして今はだ」
 英雄はこうも言った、ここで。
「飲むこともだ」
「するでありますか」
「八丈島の酒も飲む」
 これもと言ってだ、実際にだった。
 一行は八丈島の酒も飲むことにした、そしてその酒を一口飲んで最初に愛実が英雄にこんなことを言った。
「美味いっちゃが」
「これまで飲んだ酒とはな」
「味が違うっちゃ」
「これは米の酒ではないでござる」
 智が飲みつつ述べた。
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