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稀代の投資家、帝国貴族の3男坊に転生
69話:側近
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されているご嫡男のアルブレヒト様から、芸術に関してはアンネローゼ様の講師役でもあるヴェストパーレ男爵家のマグダレーナ嬢が、事業計画については、情報部のオーベルシュタイン卿が、戦術に関しては士官学校に在籍されているロイエンタール卿とそのご学友だというミッターマイヤーさんから、指導を受ける事になった。礼儀作法に関しても、たまに顔を出されるシェーンコップ卿からアレンジの方法を習ったり、リューデリッツ伯も修めているという秘伝のお茶の入れ方なども教わった。
特にフランツ教官の指導は厳しく、ラインハルト様とは内密で『鬼じじい』などと呼んでいるが、男性陣はみな彼にしごかれたらしく、実際に音楽学校へ進まれた次男のフレデリック様ですら、私たちの倍くらいの教練をこなしておられるので、負けてはいられぬと奮起する材料にもなっている。
教練にはさすがに参加されないが、マグダレーナ嬢とそのお知り合いだと言う、マリーンドルフ家のヒルデガルド嬢も、座学には参加されている。マグダレーナ嬢からは『リューデリッツ伯の銀の匙を贈られる者同士、一緒に励みましょう!』と嬉し気に言われたのが印象深かった。講師役の皆さまは幼い私でも凄い人物だと理解できるが、このまま行けば士官学校で学ぶことが無くなってしまう様にも思う。ラインハルト様はどうお考えなのだろう?

「キルヒアイス、フリーダ嬢がお前の分も晩餐を用意してくれるそうだ。明日はあの『機械男』の講義の日だからな。晩餐の時間まで予習の時間に充てよう。変なミスでもしたら、また宿題を増やされるからな......」

「ラインハルト様、そのようなことをおっしゃっているのが発覚すれば、フリーダ様のお料理をしばらく頂けなくなりますよ?」

「二人の時だけだ。フリーダ嬢は芸術も音楽もこなされるが、料理の腕前は姉上にも劣らない。あの方の唯一の難点は『機械男』に懐いている事ぐらいだな......」

そんな事を話しながら、今では勉学の為の部屋となっている別邸のリビングへ二人で向かう。決して楽な日々ではないが、充実した日々でもある。おそらく講師役の方々もいずれ名をはせることになるに違いない。そんな方々に教えて頂ける環境をありがたく思いながら、少しでも早くラインハルト様のお力になれるよう、励むだけだ。


宇宙歴786年 帝国歴477年 12月上旬
キフォイザー星域 惑星スルーズヘイム
フェザーン自治領主 ワレンコフ

「自治領閣下、お力添えのおかげで無事に除霊の第一弾は完了しつつある。もっとも目の向き先を増やしたから多少はテロの可能性を減らせたと思うし、もし、フェザーンに戻るというなら、警護の人材を貸し出すことも出来なくはないが......」

私の共犯者が心配げに尋ねて来る。彼も、フェザーンに戻ることは暗殺かテロのターゲットになる事と
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