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稀代の投資家、帝国貴族の3男坊に転生
64話:狭まる網
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組織の所属者だからね。幸いなことに、叛乱軍のフェザーン高等弁務官府の関係者だと身元を証明できる者には手を出さなかった。つまりこちらは高等弁務官府の職員を連行する口実を与えなかった。叛乱軍がフェザーン方面で実力行使する為には、補給線を整えたうえで、少なくとも3個艦隊を動員しなければならない。そんな余裕は戦力面でも資金面でもないという分析が出ているし、まずは帝国内の大掃除を優先して大丈夫だと思うよ?」

確かに、叛乱軍の反応は想定したより鈍かった。本来なら密入国者であったとしても、自国民の返還要請ぐらいはしてくるかと思ったが......。

「どうもあちら側でもかなり地下茎を伸ばしていたという所だね。マスコミは地球教を、『帝国に弾圧された悲劇の宗教』という形で大々的に報道している様だし、叛乱軍の主戦派から見ても、帝国との戦争に勝利して『地球をわが手に』という主張は、帝国と戦うという点で、受け入れやすいモノだったようだし......。
ただ、さすがにサイオキシン麻薬が絡む以上、表立って擁護は出来ないから、フェザーン進駐を防げなかった責任を取って辞任した最高評議会議長の後任は主戦派からではなく、中道派から年功序列で選ばれたみたいだね。しばらくは国内世論の取りまとめで忙しくなるってところかな?」

「ところで、拘束している地球教どもに関してはなにか妙案はないかの?サイオキシン麻薬中毒者の管理などいつまでもしては居れまい?」

「そっちも地球での調査次第の部分があるけど、地球の資源施設は徹底的に破壊したうえで、地球に解き放つ事も選択肢の一つだと考えているよ。地球そのものを教徒の隔離施設にしてしまう訳だね。多く見積もっても100万人位が、今も生活しているという話だ。、さすがに皆殺しにはできないし、かといって帝国臣民260億人を危険にさらすわけにもいかない。
巡洋艦を中心に数百隻と防衛衛星の索敵・攻撃エリアを惑星側に設定すれば、地球から外に出る事は防げるし、彼らも信仰心を満たしながら荒廃した惑星で細々と生きられる。まあ財産の持ち込みは許さないし、同じ宗教を信じる者同士、せいぜい苦労してもらえば良いと思うよ?」

うむ。厳しい判断だが、さすがに信者だというだけで極刑にする訳にもいかぬ。とはいえ狂信者と言うものは、極端な例をだせば信仰の為なら笑顔で赤子ですら殺しかねぬもの。妥当な処置という所か......。

「フェザーンとの出入国に関してもかなり厳密な手続きにするように提案もしているしね。提案が通れば、薬物検査とDNA鑑定をして、照合する形になるはずだ。そう言う意味でも、アイゼンヘルツ星域に3個艦隊クラスの駐留基地を新設する事は必要なことになるね」

とりあえず対外的なことは何とかなりそうじゃな。あとは政府と宮廷か。そちらの混乱はまだ先が見えて
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