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オズのエリカ
第五幕その八

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「そんなことをしたらね」
「駄目でしょ」
「うん、キャットフードは人間が食べるものじゃないよ」
「そこよ、猫が食べて美味しくてもね」
「人間が食べて美味しいとは限らないね」
「だからよ」
 それでというのです。
「あまりね」
「そうしたことはだね」
「用心しないと」
 さもないと、というのです。
「後で食べてまずかったとなるわよ」
「シビアな現実だね」
「そうよ、けれどね」
「その通りだね」
「そうよ、現実は中々怖い一面もあるわ」
「そうだね」
「ええ、自分で見て考えることは本当に大事よ」
「エリカはいつもそうだね」
 そういえばと気付いたジョージでした。
「自分で見てね」
「自分で考えてるでしょ」
「他の人の言葉を鵜呑みにしないでね」
「何度も言うけれど私は私よ」
「だからだね」
「そう、自分で見て考えてね」
 そうしてというのです。
「動いているのよ」
「選んでもいるんだね」
「そうよ」
 その通りだというのです。
「あのピエロさんの言ってることはね」
「既にだね」
「やっているのよ」
 胸を張って言うのでした。
「それが私なのよ」
「そういうことだね」
「ええ、ただね」
「ただ?」
「私みたいにいつもそう出来る人は」
 それはといいますと。
「そうはいないわね」
「そこで自慢するんだ」
「するわよ」
 胸を張って言うエリカでした。
「それも私だからね」
「猫は自慢したがりっていうけれど」
「私は特になのよ」
「そうした面でも猫らしいってことだね」
「そうよ、そしてね」
 さらに言うエリカでした。
「あんた達にも他の人と同じ態度よ」
「そこもエリカだね」
「何でもね、しかしね」
「しかし?」
「私はあの人の言葉を忘れないわ」
 ピエロとのお話をというのです。
「絶対にね」
「最初から自分で見ていて考えていても」
「そうしておくわ」
「自分への戒めにするんだ」
「若し忘れると」
 その時はというのです。
「失敗するから」
「だからなんだ」
「自分が最初からそうでもうっかりとかあるでしょ」
「そうならない為に」
「あの言葉を忘れないで」
 そしてというのです。
「自分への戒めにするわ」
「しっかりしてるね」
「私が私らしくある為にね」
「自分らしくなんだ」
「そうよ、絶対にね」
 まさにと言ったエリカでした。
「自分で見て自分で考えていくわ」
「これからもいつも」
「そうしていくわ」
「成程ね」
「ええ、じゃあ食べ終わったらね」
 それからのこともお話したエリカでした。
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