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麗しのヴァンパイア
第七十六話

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                第七十六話  召喚された者達も
 先生達が召喚したケルビムはバフォメット、カーミラが召喚したその悪魔と対峙してそうして言った。
「貴方と会うのもです」
「久し振りね」
「はい、しかしいつも思うことですが」
 ケルビムはバフォメットに四つの顔で述べた。
「貴方の性別はどちらでしょうか」
「牡山羊の頭なのに女の胸があるからね」
「それではわからないです」
「それはわかっているでしょ」
 バフォメットはケルビムに素っ気ない口調で返した。
「そんなことは」
「天使にも悪魔にもですね」
「性別がない者もいるわ」
 こう言うのだった。
「そして私はね」
「性別がないのです」
「そうよ、喋り方は女のものだけれど」
 それでもというのだ。
「この喋り方はね」
「貴方の好みでしたね」
「そうよ、あくまでね」
 それに過ぎないというのだ。
「それだけよ」
「そうでしたね」
「ただそれだけだから」
 あくまでというのだ。
「喋り方で決めないでね、声の色も女のものだけれど」
「大人の女性のものでも」
「性別はないのよ」
 バフォメットはそうだというのだ。
「私の場合はね」
「天使や悪魔は男性が多いと言われていますが」
「そう言う貴方はどうなのかしら」
「私にも性別はありません」
 これがケルビムの返事だった。
「ははは、貴方と同じでしたね」
「そうなるわね」
「自分もですね、では」
「ええ、軽いお話も終わったし」
「私達も闘いますか」
「そうしましょう」
 二人で話してだ、そしてだった。
 ケルビムとバフォメットも魔法を放っての闘いに入った、ケルビムは光をバフォメットは闇のそれぞれの魔法を主に使うが。
 こちらも互角だ、それでお互いに言うのだった。
「今回もですね」
「楽しい勝負になりそうね」
 こう話してだ、そのうえで二人は闘いつつ勝負を楽しんでいた。二人の間には焦りは全く存在していなかった。


第七十六話   完


                2018・8・1
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