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オズのエリカ
第五幕その四
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「私の言う通りにされるかも知れないですね」
「ええ、言われてみればね」
「貴女が当初そうすべきと思っていても」
「貴女が好きならね」
「そして貴女にこうして申し上げるだけでなく」
 さらに言うピエロでした。
「テレビ等でも言えばどうなるでしょうか」
「こうして一度聞くだけでなくてよね」
「テレビで何度も言われるとどうでしょうね」
「わからないわね、本当に」
「旗を外しかねませんね」
「そうなるかも知れないわ」
「そこです、人は面白い人を好きになってです」
 そしてというのです。
「その人の言葉を信じテレビ等で何度も言われますと」
「余計になのね」
「信じてしまいます、しかし私はピエロです」
 今度は自分自身のことを言うピエロでした。
「その素顔や正体は中々わかりません」
「実は、っていうのね」
「全く別のことを考えているかも知れませんよ」
「その旗を外すことも」
「そうです、私がこの旗は特別だから外せばいいと言っていても」
 他の旗達とです。
「しかし私は本当にそう思っているか」
「わからないのね」
「私がかつてのノーム王の様にオズの外の世界から来てです」
「そして悪意があれば」
「そうです、かつてのノーム王の様に」
 そうした人であればというのです。
「若し外した旗を後で自分が盗みたいとすれば」
「一枚だったら盗みやすいからね」
「そうであればどうでしょうか」
「簡単に盗めるわね」
「そして人と違うことを言って注目されたいなら」
 そう考えているのならというのです。
「貴女は私をどう思われますか?」
「とんでもない悪人に思うわ」
 エリカはまたしてもすぐに答えました。
「その顔を二度と見たくない位に嫌いになるわ」
「そうなりますね」
「若しあんたの正体がそんな奴ならね」
「はい、しかしです」
「あんたの本心はわからないのね」
「ピエロですから」
 おどけた芸とメイクで本心を隠しているからです。
「実はそうした方が貴女の為になると思っていても」
「実はあんただけの為になることもっていうのね」
「ありますね」
「ええ、何か嫌な話ね」
「そうですね、ですがそうしたものなのです」
「ピエロというものは」
「人の本心はよく察することです」
 エリカに今も表情は仕草自体はおどけたものでお話します。
「例え人気者で自分が好きな人でも」
「信じている人でも」
「その人をよく見ることです」
「そして果たして信じるに足る人かどうか」
「そうなのです、オズの国でもかつてのノーム王みたいな人が来たりします」
「色々とやってくれたわね、あの人」
「妖魔達と手を組んで攻めたりもしてきましたね」
 このことについても言うピエロでした。
「エメラルドの都を地下から攻
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