暁 〜小説投稿サイト〜
オズのエリカ
第四幕その七
[1/2]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
「つまりね」
「そうだね、お伽の国だからね」
「そうした国ってことよ」
 まさにというのです。
「だから駒の人達が食べなくてもね」
「そうした国なんだね」
「そう思っていればいいのよ」
「そうだね」
「実際にお話聞いてみましょう」
 ここで、でした。アンはこう皆に言ってです。近くのチェスの白いビショップの人が店員をしている金物屋さんのところに行ってです。
 そのビショップの人に駒の国の人達は何を食べているのかと聞きますと皆が予想した通りの返事でした。
「何も食べないですよ」
「そうなの」
「はい、駒の身体ですから」 
 やはりこう言うのでした。
「食べる必要も飲む必要もない」
「ないのね」
「寝る必要もないです」
 こちらも必要ないというのです。
「休む必要も」
「かかしさんや樵さんと同じなのね」
「その通りです、私達はそうした人間なんです」
「そういうことね」
「はい、ですから暮らしやすいですよ」
 笑顔で言うビショップでした。
「とても」
「じゃあこの国はお昼も夜もこうなのね」
「はい、ずっとです」
 それこそお昼も夜もというのです。
「こうしてやっていっています」
「夜は灯りを点けてなのね」
「そうです、蛍達が近くの湖から大勢来てくれて」
 そしてというのです。
「国を照らしてくれるんです」
「蛍!?それはいいわね」
 蛍と聞いてです、エリカは思わず飛び上がらんばかりになって言ってきました。
「それじゃあね」
「その蛍をなのね」
「そう、是非ね」
 こうアンに言うのでした。
「見たいわね」
「エリカの好奇心が出たのかしら」
「出たわ、それにね」
「蛍自体がなのね」
「好きだから」
「奇麗だからよね」
「是非見たいわ」
 アンに目をきらきらとさせて言いました。
「どうかしら、それで」
「それじゃあ夜もこの国にいるのね」
「そうしましょう」
「そうね、御飯も食べて」
 そしてとです、アンもまんざらでないという顔で応えました。
「そうしてね」
「いいでしょ、蛍を見て」
「そうしていいわね」
「身体を奇麗にするのはその湖ですればいいし」
 エリカはこうも言いました。
「その近くで寝てね」
「そうした風にね」
「やっていきましょう」
「それじゃあね」
 二人で言ってです、そしてでした。
 一行は御飯も食べてそうしてでした、そのうえで。
 夜になるのを待ちました、その間ずっと駒の国の中を見て回ったりティータイムも楽しみました。それからです。
 夜になるとです、エリカは皆に言いました。
「じゃあいいわね」
「うん、いよいよだね」
「蛍だね」
「蛍を見るんだね」
「蛍に照らされた国を見て」
「そうして楽しむのね」
「そうするわ
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ