暁 〜小説投稿サイト〜
ダンジョン飯で、IF 長編版
IFのIF  脳漿混じりのジャム

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 近頃、ライオス兄さんが隠し事をしている。
 自由に迷宮の中を飛び回って色んな魔物を食べては、何かしてる。
 迷宮の玉座に座った私でも、どうしても死角がある。
 すべての迷宮の中を見渡せるわけじゃない。
 その死角に、兄さんは最近何か隠している。それが許せない。

「妹の私に隠し事なんて酷いわ。」

 兄さんの行動を分析して、どこに隠し事をしているのか特定していった。
 そして、そこに行ってみると、まず腐敗臭が鼻を突いた。
 藁が不自然に盛られていて、腐った血を吸ってドス黒くなっている。
 杖を使って、藁をどかすと……。ゴロリと頭蓋骨が転がり落ちた。
 藁を全部どかすと、そこには、様々な魔物や人間の首が詰まれてあった。
 その中に、見覚えがある首があった。
「あら、あなたは…。」
 その首を持ち上げるために短い黒髪を掴む。
 しかし腐敗が進んでいて頭皮ごと髪がずるりと抜けた。
 腐りかけのその首がコロリッと床を転がる。
 その首を両手で持ち上げた。
 持ち上げるとポトポトとウジが落ちた。
「えっと…カブルー…くん?」
 顔の半分以上が腐り、ハエがたかってウジが湧き、骨が見えている。それでもまだ辛うじて人相は残している。
「兄さんってば……。」
 ファリンは、カブルーの首を高く持ち上げた。
 そして、手に力を込める。
 ギリギリ、ミシミシ、メキメキと、一見しただけは分からない怪力でカブルーの顔が潰れていく。
 目が飛び出す、骨にひびが入る、中に詰まっている脳がドロドロと流れ出る。
 それでも構わずファリンは、徐々に潰していきやがて……。
 カブルーの首が完全に潰れた。
 それをゴミを捨てるように放り捨て、ファリンは、後ろを振り返った。
 そこには、ライオス・ドラゴンキメラがいた。
 その手に新しい獲物の首を持っている。
「兄さん。宝物を集めるのは良いけど、私に内緒はイヤよ。」
 立ち止まっているライオス・ドラゴンキメラに近づき、腐った血と脳漿で汚れた手を服で拭ってライオス・ドラゴンキメラに、手を伸ばした。
「今度から、私にも見せてね?」
 それはそれは、素敵な笑顔を浮かべたのだった。
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