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文武両道なれど
第二章

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「軍人になることは考えていても」
「そうか、だから騎士にはなるつもりはないか」
「貴族にもな、そんな堅苦しいのになるよりな」
「今の平民の軍人のままでいいか」
「ああ、本当にな」
 こう言うのだった、そしてだった。
 今度はマークスからだ、ルームメイトに言ってきた。
「気楽でいいだろ、人生はな」
「それも人生だな」
 ルームメイトも否定しなかった、マークスの今の言葉は。
「堅苦しいまでに礼儀作法を極めて騎士、貴族になるのも人生ならな」
「気楽に生きるのも人生だろ、だったらな」
「君は気楽に生きていくか」
「軍隊って只でさえ規則色々あるだろ」
「規則で成り立っているのが軍隊だ」
 実際にとだ、ルームメイトも答えた。
「我が国の軍隊も同じだ」
「そうだろ、だったら軍にいるだけで充分さ」
「堅苦しいことはか」
「俺は子供の頃から堅苦しいのは苦手だからな」
「これでいいか」
「ああ、それじゃあな」
「このままか」
「俺はやっていくな、騎士にならないでな」
「わかった、なら今からだな」
「寝ようぜ、寝てそしてな」
「明日もか」
「ああ、明日起きてな」
 そしてと言うのだった。
「また楽しくやろうな」
「出来る限り気楽に楽しくか」
「そうしていこうな」
「そうだな、それでだが」
 ルームメイトの言葉が厳しくなった、その声でマークスに言うことも忘れなかった。
「明日の朝もだ」
「遅刻しない様にか」
「していくぞ、若し遅刻しそうならだ」
「引き摺っていくんだな」
「その為にバイク通学の許可を貰っている」
 寮から学校までのそれをだ。
「僕が君を無理に乗せてもだ」
「遅刻しないっていうんだな」
「その前に氷水を頭にかけてもだ」
 これは実は実際に何度もしている。
「起こすからな」
「わかったよ、お陰で俺は御前とルームメイトになってな」
「寝坊したことはないな」
「それで遅刻したこともないよ」
「それならだ、いいな」
「明日の朝もだよな」
「まずは自分で起きろ、いいな」
「出来る限りそうするな」
「絶対にそうしてくれ」
 朝のことも二人で話してだ、そうしてだった。
 ルームメイトもベッドに入り二人共休息に入った、マークスは出来る限り気楽なまま人生を過ごすことを決めていてそれ故に騎士になれると言われながらも騎士にならずそうして軍人として生きた。軍務を離れた時の彼は至って砕けていい意味で天衣無縫な人物であったという。


文武両道なれど   完


                  2018・9・26
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