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オズのエリカ
第二幕その八

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「色々動く様になったし」
「外の世界にいた時以上にだね」
「そうもなったしね」
「本当に随分変わったんだね」
「ええ、自分でも思うわ」
「まあ動き回って悪戯することは駄目だけれどね」
「それが猫の仕事じゃない」
 悪戯もとです、お刺身を美味しく次から次に平らげ奈良が言うエリカでした。
「そうでしょ」
「それはまた勝手な解釈だね」
「そうかしら」
「そうだよ、君の場合いつもだけれど」
 それでもというのです。
「勝手な解釈だね」
「まあそこはどうでもいいけれどね」
「どうでもよくないしね」
「この娘は相変わらずね。けれどまたわかったことがあったわ」
 アンはエリカの本当にいつも通りの悪びれない態度にはやれやれと思いながらもこのことに喜んでいました。
「オズの国の生きものは外の世界の生きものより寝る時間が短いのね」
「人間と同じみたいですから」
「外の世界の生きものはもっと寝て」
「そこはですね」
「本当に違うのね」
 アンはマスタードを程よくかけたフライを食べつつ述べました。
「そのこともわかったわ」
「そうですね、本当に色々と違いますね」
「オズの国と外の世界ではね、あとね」
「あと?」
「最後のデザートは何にしようかしら」
 鯉料理尽くしの今の昼食の最後のそれはというのです。
「一体」
「そうですね、それは」
「ちょっと考えますね」
「具体的には何がいいか」
「デザートっていっても色々ですし」
「ちょっとどれかとは言いにくいですね」
 五人共アンのその言葉に少し考えました。
「ケーキかアイスクリームか」
「クレープもいいですし」
「パイも悪くないですね」
「ワッフルもありますね」
「ヨーグルトもいいですし」
「そうね。どうしようかしら」
 アンも五人と一緒に考えました、ですがここでエリカが言いました。
「そんなのふと閃いてよ」
「それでなの」
「思いついたものでいいのよ」
 こうアンに言うのでした。
「迷うことなんてなくね」
「それでいいの」
「そう、何でもいいでしょ」
 それこそというのです。
「思いついたらね」
「貴女みたいにすればいいの」
「そうでしょ、これで」
「ううん、じゃあ」
 言われてです、アンが思い付いたデザートはといいますと。
「今ふと思い浮かんだのはね」
「何だったの?」
「フルーツを小さく切ってね」
 そうしてというのです。
「オレンジや苺やパイナップルや桃やバナナを」
「それなの?」
「その上に甘いヨーグルトをたっぷりかけた」
「そういうものね」
「それを思い付いたけれど」
「じゃあそれでいいじゃない」
「皆もそれでいい?」
 エリカに言われてからです、アンはまずは五人に尋ねました。
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