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汝(なれ)の名は。(君の名は。)
14新世界
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横から回り込む手段も無い。
 問題点は竹の砲身を埋めて運用する場合、どこから敵が来ても一切変更が効かない。
 数を増やして全集防御できるように埋めるしかない。
 竹を強化して破裂しない竹砲、紙砲を作れても、弾丸と装薬重量もあり、結局馬車か台車で運搬して、そのまま設置しなければ運用が不可能。
 青銅で重量砲を作るか、鉄の鋳物を鍛造焼き入れするしかない。
 冬守程度の生産力と工業力、加工できる職人数では、数本作製できれば御の字。

 ここで何故青銅の砲を選ばなかったかと言うと、胴と錫の合金を作るには、銅の融点1083℃、錫の融点875℃が必要になるが、鉄は600℃〜800℃でも焼結が可能、そして川や山から簡単に酸化鉄を持って来れる。
 銅鉱脈を見付けるなど古代には不可能で、錫を発見するのはもっと難しい。
 酸化鉄を扱うのは非常に簡単なので、鉄の方が青銅よりも早く活用されていたのでは無いか? と言う説もある。

「この鉄を熱して叩いて、炭を混ぜたり水で冷やしたりして、薄い板を作るのだ」
「「「「「「「ヨツハ様の仰せのままに」」」」」」」
「加工の練習台にするには良いが、刀にする必要は無いぞ、板を丸めて筒を作り、石火矢、銃を作るのだ」
「「「「「「「へい」」」」」」」
 火縄銃やマスケット銃なら、丸い弾をライフリングも無い滑空砲で銃身から打ち出す程度なので射程が100メートル以下。
 下向きに撃とうとすると、先込めの弾丸や火薬が転げ落ち、雨が降れば全部使い物にならなくなる。
 可能なら竹筒に火薬と弾丸を詰めて、先を防水して、後尾に雷管を付ける。
 鉛玉を型に入れる時、後ろを薄くして空洞にし、火薬の起爆力で広げ、銃身のライフリングに沿って回転するように加工すれば、射程が300メートル以上になる。
 冶金技術が低すぎる世界だが、ほんの数丁だけでも精度が良い銃身を作り、ライフリング加工できれば、山道で隠れてアマテラスや建御雷を射殺できる。
 相手側も最初は何故仲間が死んだのか、何をどこから撃ち込まれたのかも分からず、大将首を全部討たれると、部族同士集まっただけの一般兵の集団になり、下士官や族長の指示で撤退する以外に無くなる。
 もし見付かっても山の傾斜地を上方向に駆け上がったりするのは困難で、弾数があればその間に追っ手を射殺できる。
 谷を挟んだ向こうから狙撃すれば、狙撃手を探し回っている間に逃げるのも簡単で、猟師やシモヘイヘのような活動ができれば、アイアンサイトだけで一日数十人をヘッドショットできる。
 何も「まおゆう」のように、マスケット銃を10万人に持たせ、補給が滞るように設定して自滅させる必要は無い。

 クレイモア地雷と石弓(ボウガン)では、国内の内戦に勝利する程度だったが、ライフリングがあるミニエ銃では、歴史の
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