第二章
第21話 古代遺跡
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とになっていたと思う。
そして今度は、国王を、かつて先代が急死した地に、しかもそのときと状況が似ていると知りながら行かせているわけだ。
このまま何事もなければいいが、そもそも「何事もなければいいが」と思うような状況ならば、最初から行くべきではない。
それなのに反対もせず、逆に勧めてしまうとは……。
いったいどういう思考回路をしているのだろう。
参謀三人のうち、ヤマモトは単なるスピーカーの役割らしく、自分の頭で考えている感じはない。まだ見習いみたいなものなのだろう。
あとの二人は……ブレーンとしてきちんと機能しているのだろうか? 疑わしいにも程がある。
今回は、爺の意見が正常な意見だ。間違いない。
「陛下。今回は恐らく爺の意見が正しいです。安全かどうか不安があるときは自重してください」
「お前は心配しすぎだ」
「何かあってからでは遅いからです」
「そんなことを言って、何も起こらなかったらどうする? お前は責任を取るのか」
「責任なんて取れるわけないじゃないですか」
「なら言うな」
だめだ。
戦のときも、ヤマモトから避難を進言されたときに速攻で却下していた。あのとき俺が進言していたとしても、おそらく聞いてもらえなかっただろう。
この国王は、かなりの強情なのだ。
「それはただの屁理屈です。危機を回避する行動を取るのは当然です。そのうえで危機が訪れなければ、それはそれでよいことでしょう。なんで責任云々という話になるんですか」
「お前、今日は少しおかしいのではないか? なぜこんなに突っかかってくるのだ」
「だから危険だからだって言ってるじゃないですか」
「……なぜだ。現場で頑張っている者たちを励ますのは大事な仕事だ。何が悪い」
「それはもちろん大事な仕事でしょう。俺が言っているのはそういうことではなく、危険だから今はやめてくださいということなんです」
……。
国王が納得する気配がない。
もしかして、俺のやり方もよくなかったのだろうか?
いきなり頭から「帰れ」と言ってしまったので、余計に反発を招いたのかもしれない。
もう少し作戦を練って追い返しにかかるべきだったのか?
「このような大規模な事業を始めた以上、一度も余が視察しないなどということはありえぬ。いつか行かなければならないのであれば、最初から行っても同じではないか」
「全然同じじゃありません。少し軽率すぎます。俺は何も、ずーっと行くなと言っているわけではありません。もう少し様子を見て、安全であることを確認して行くべきだと言っているんです」
「……余は帰らぬ。今日はここを視察する。そしてお前も一緒に回れ」
くそ……。
「だいたい、今回の件についてお前の意見を求めた覚えなどない。余のやる
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