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オズのエリカ
第二幕その四

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「猫はいてもたってもいられないのよ」
「これ僕達ライオンもだけれどね」
「虎もそうなんだよね」 
 臆病ライオンと腹ペコタイガーも言ってきました。
「ごく自然にね」
「動くものには前足が出るんだよね」
「前足が出るのは」
 このことはと言ったアンでした。
「ネコ科の生きもの共通の習性かしら」
「うん、それはね」
「そうみたいだね」
 臆病ライオンと腹ペコタイガーが応えます。
「動くものが見えると」
「もうそれだけで前足が出るのは」
「出さないとね」
「うずうずするんだよね」
 前足がというのです。
「だから出さずにいられない」
「エリカと一緒だよ、このことは」
「そうなることは」
 本当にとです、アンもマーガレットを見つつ言うのでした。そのマーガレットは白と黄色の奇麗な普通のマーガレットでした。
「ネコ科ってことね」
「うん、豹やピューマもだと思うよ」
「ジャガーやオセロットもね」
「ネコ科の生きものも多いけれど」
「どの子もそうだよ」
「だから私がこうして前足を出すのは」
 今もエリカは前足を動かしています、虫達はその前足に困った感じで反応してそうしてお花の周りを飛んでいます。
 そしてです、こうも言ったエリカでした。
「至極当然のことなのよ」
「そうなんだね」
「ネコ科だからね」
 その生きものだからだとジョージに言います。
「例えば猫じゃらしなんか動かされたら」
「うん、もう無意識にだね」
「前足が出るわ」
「逆に出さない我慢は出来るかな」
「出来る筈ないでしょ」
 これがエリカの返事でした。
「それこそ」
「そうだよね、やっぱり」
「猫じゃらしは特にね」
「目の前で動かされると」
「前足が出るわ」
「それも爪も出して」
 このことも一緒です、前足を出すには。
「そうしてくるよね」
「それも当然よ」
「爪を出すことも」
「にゅっとね」
 その爪を出す勢いも言うのでした。
「そうせずにもいられないわ」
「そうだね、寄り道もして」
「さて、充分楽しんだし」
 そでというのでした。
「じゃあね」
「旅の再開だね」
「そうしましょう。それで十時とお昼にはよね」
「ええ、ティ―タイムとお昼よ」
 アンがエリカに答えました。
「そのことはね」
「絶対よね」
「この二つがないと」
 それこそというのです。
「勿論三時も夕食もね」
「旅は休めないわね」
「休憩も入れないと」
 そうしないと、というのです。
「旅は続けられないわ」
「そうよね」
「あんたはしょちゅう休憩しそうだけれど」
「寄り道とかして」
「そうしそうだけれどね」
 それでもというのです。
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