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オズのエリカ
第一幕その三
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「貴女は」
「それはいいことね」
「よし悪しよ。貴女はよくトラブルも起こすし」
「ドロシーと出会ってオズの国に来た時から?」
「そうよ。今だってね」
 オズの国の住人になってからずっとというのです。
「そうだから」
「私の好奇心もなの」
「どうかと思うわ。けれど言っても聞かないわよね」
「思いついたらやるのが私よ」
 右の前足を出してそれでドロシーを指差す様にして言うエリカでした。
「そうでしょ」
「猫は意志が強くもあるのよね」
「いいものばかり持ってるでしょ」
「気まぐれで我儘で悪戯好きで飽きっぽいのはいいことかしら」
「全部そうよ」
 エリカが思うにはそうなのです。
「だからいいのよ」
「何でもいい風に考えるわね」
「それも私でしょ」
「ええ、猫でね」 
 それでというのです。
「貴女はそのこともかなり強いわ」
「つまり私は何でも強いのね」
「猫の性格がね」
「それだけ私が凄い猫だってことよ」
「本当に何でもそう思うから」
「言ってもっていうのね」
「ええ。仕方ないわね」
「じゃあ決まりね」
 ドロシーの言葉を聞いてそれならと応えたエリカでした。
「これから猫の王国を建てるわよ」
「それで何処に建てるの?」
「そうね。小さな国が一杯あるから」  
 だからだというのです。
「カドリングの国にするわ」
「あの国の中に建てるの」
「陶器の国やジグゾーパズルの国みたいにね」
 カドリングの国の中にあるこうした国々と共にというのです。
「街を城壁で囲んでね」
「そのうえでなのね」
「猫の国を建てるわよ」
「それじゃあね」
 そこまで聞いてです、ドロシーはエリカに言いました。
「まずはグリンダにね」
「あの人になの」
「カドリングの国の中に国を建てる許可を貰って」
 それからだというのです。
「いいわね」
「わかったわ。しかしね」
「しかし?」
「私がいいって言ってもなのね」
「それで国は建てられないわよ」
「グリンダが許してくれないと駄目なのね」
「カドリングの国に建てるのでしょ」
 このことから言うドロシーでした。
「だったらね」
「グリンダの許可が必要なのね」
「ええ、それでね」
 さらに言うドロシーでした。
「オズマの許可もね」
「必要なのね」
「そうよ。あの娘からもね」
「じゃあこれからオズマに会うわ」
「そうしてね。建国はかなり大きなことだから」
 それでと言うドロシーでした。
「その国の元首だけでなくてね」
「オズマの許可も必要なの」
「オズの国の国家元首のね」
 この人のものもというのです。
「だからね」
「ええ。じゃあまずはオズマのところに行くわね」
「それじゃあね」
 こうしてでした、エリカはその足で
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