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緑の楽園
第二章
第13話 国王
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その人物は調査の旅をしており、王立図書館や著名研究家のところに入り浸ることになるかもしれないが、北の国のスパイなどではないので怪しまないでほしい、と書かれていた」

「町長がそんな手紙を……」
「しかしこんな手紙をもらうと、どんなやつなのか会ってみたくなるよな? だから呼び出してみたってわけだ」

 国王はそう言うと、正面を向いたまま、ニヤッと笑った。
 その横顔は少しイタズラっぽく、少年そのものだった。

「はあ。そうだったんですか」
「まあ、そういうことだから。怒るなよ」
「いや、別に怒ってなかったですけど」

 嘘だけど。

「そうか、よかった」

 国王は俺と組んでいた右腕を一度外し、今度は両手で俺の左腕をつかんだ。
 そして顔を俺のほうに向けた。
 俺もそれにあわせて、顔を国王のほうに向けた。
 国王は、一転して真剣な眼差しで、俺を見つめる。

「……余からそなたに頼みがある。聞いてくれるか」
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