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オズのガラスの猫
第十一幕その九

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「その倍じゃない」
「十六時間ね」
「それだけ寝るから」
 だからだというのです。
「いつも同じ子とは遊べないのよね」
「そうよね」
「猫は一日の三分の二寝てね」
 二十四時間のうちに十六時間だとそうなります。
「三分の一遊ぶでしょ」
「貴女と違ってね」
「あたしは猫は猫でもね」
 それでもというのです。
「寝る必要がないから」
「ガラスの身体だからね」
「猫だけれど寝ないの」
 そうした身体になっていないのです。
「だから朝から晩まで遊んでね」
「晩から朝までね」
「遊べるの」
 まさに一日中です。
「それが出来るけれど」
「普通の猫ちゃん達は違うわね」
「そうよ、この通りね」 
 見れば皆の周りのあちこちにいる猫達の中には欠伸をしたり寝ようとしていたり実際に寝ている猫達も多いです、それも気持ちよく。
「寝ることが多いから」
「だからなのね」
「そう、あたしといつも遊べないの」
「貴女が特別で」
「だからね」
 それ故にというのです。
「あたしはいつも交代してね」
「色々な子と遊んでいるのね」
「そうしているのよ」
 この猫の国においてはというのです。
「いつもね」
「そうなのね」
「猫は基本夜に動くでしょ」
「お昼も動くけれどね」
「だからお昼に遊ぶことも出来て」
「夜もなのね」
「出来るから不自由しないのよ」
 そうだというのです。
「有り難いことにね」
「猫は一日十六時間寝ても」
「そうよ」
 まさにというのです。
「あたしは色々な子と遊べるの」
「そうなのね」
「そう、そしてね」
「そして?」
「あたしはここでもいつも楽しく遊んでいるの」
 猫の国でもというのです。
「エメラルドの都や他の場所にいる時と同じで」
「楽しくなの」
「凄くね」
「そうなのね」
「そうよ、あとね」
「あと?」
「いえ、何かね」
 ここでこう言ったナターシャでした。
「猫の皆毛並みがよくて身体つきもいいわね」
「うん、凄くね」
「どの猫も毛並みがふさふさしていてね」
「丸々としているよ」
「健康そうね」
「食べるものも沢山あるのね」
 見れば猫の人達がどんどん猫達にお魚や鶏肉やキャットフードをあげています、勿論猫まんまもです。
「そうなのね」
「そうよ、それでね」
「あのシュールストレミングもなのね」
「皆好きみたいね」
「普通の猫達もなの」
「いえ、あれは猫の人達みたいよ」
 こちらの人達がお好きだというのです。
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