暁 〜小説投稿サイト〜
戦国異伝供書
第八話 浅井家の内その十一

[8]前話 [2]次話
「それならばな」
「そうして頂いて」
「文も止めて頂くか」
「それでは」
「わしからお話する」
 義昭、彼にというのだ。
「是非な」
「わかり申した」
「それでじゃが」
 さらに言う信長だった。
「朝廷はな」
「はい、帝と公卿の方々は」
「好意を抱いて下さっている」
「有り難いことに」
「このことはまことに有り難い」
 信長は笑みさえ浮かべて話した。
「当家にしてもな」
「はい、朝廷が我々を大事に考えておられることは」
「まことにな」
「では朝廷については」
「このままな、お助けしていこう」
「純粋に」
「そうしていく、しかし幕府は」
 こちらはというと。
「どうか」
「そうなっていますな」
「そうじゃ、気になる」
 幕府についてはそうだった。
「どうかとな、出来れば公方様ともな」
「よくしていきたいですな」
「別に害するつもりはない」
 義昭、彼はというのだ。
「だからな」
「では殿」
 幕府にも仕えている明智が言ってきた。
「公方様をお招きして」
「宴でもか」
「されて親睦を深められは」
「そうじゃのう」
 信長も明智のその言葉をよしとして頷いた。
「ではな」
「はい、あの方と」
「何度でもな」
「腹を割ってお話もですな」
「するか」
「それがよいかと」
「わしは別に害するつもりはない」
 幕府も義昭もだ。
「だからな」
「宴においても」
「よくお話しよう」
「そのことを」
「天下の為にもな」
「わかり申した」
「それと南蛮のことじゃが」 
 信長は今度はこちらの話をした。
「今は堺で商いをしておるな」
「はい、あの港で」
 また小西が言ってきた、堺の商人出身なのでこの話にも通じているのだ。
「明とも商いをしております」
「うむ、堺だけでなくな」
「他にも港をもうけますか」
「領地の中の港をどんどん整えておきたい」
「堺だけでなく」
「そうじゃ、播磨や讃岐や土佐のな」
 海に面している国々のというのだ。
「若狭にしてもな」
「若狭もですか」
「あちらの海の方も商いを拡げてじゃ」
 そしてというのだ。
「より賑やかに儲けたい」
「そうですか、港もですか」
「整えたい、街も道も整ってきた」
「ならば次は港を」
「そうじゃ、領地の港達をな」
「整えて」
「そうして賑やかにしていこう」
「ではですな」
 信行が応えた。
[8]前話 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ