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オズのガラスの猫
第十一幕その五
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「これが実に美味しく」
「それでなんですか」
「今ではこの国のソウルフードになっています」
「そこまでなんですね」
「そうです、まさあそこまで美味しいものがあるとは」
「猫まんまっていいますと」
 恵梨香は戸惑いつつ支配人さんにお話しました。
「特に贅沢ではなくて」
「日本ではですか」
「はい、もうおかずがない時とかにです」
「召し上がるものですか」
「そうなんですが。猫ちゃんの御飯にもなってますが」
「日本では本来はですか」
「そうしたものです」
 本当におかずがない時に食べるものだと言う恵梨香でした。
「お味噌汁がないと鰹節だけかけて食べます」
「それって何かね」
「ふりかけだよね」
「そうだよね」
 ジョージと神宝、カルロスは恵梨香のお話を聞いて思いました。
「それだとね」
「ふりかけと同じだよ」
「それはそれで美味しそうだけれど」
「鰹節の上にお醤油をかけるんですが」
「そうした猫まんまもあります」
 支配人さんは恵梨香に答えました。
「ですが当ホテルの猫まんまはです」
「お味噌汁と鰹節をかけたものですか」
「当店の看板メニューの一つです」
 そこまでのものだというのです。
「ですからどうかです」
「猫まんまもですね」
「お召し上がり下さい」
 和漢洋の様々な鳥料理、魚料理と共にというのです。こうしてでした。
 鶏のから揚げやお刺身、ムニエルにお鍋等を楽しんだ一行の前にその御飯にお味噌汁と鰹節をかけた猫まんまが出されました、その猫まんまを見てです。
 食べることのないガラスの猫がこんなことを言いました。
「ああ、このお料理は」
「どうかしたの?」
「ええ、凄くいい匂いがするわね」
 こうナターシャに言うのでした。
「食べたいとは思わないけれど」
「その貴女でも思うのね」
「ええ、これは美味しいわ」
「凄くなのね」
「断言出来るわ、美味しいとかいう感覚は知らないけれど」
 もっと言えばわからないのです、そうした身体の仕組みではないので。
「その美味しいという感覚はね」
「この猫まんまを食べるとなのね」
「感じられるみたいね」
「はい、猫ならばです」
 支配人さんはガラスの猫に礼儀正しく答えました。
「まさにです」
「この猫まんまはなのね」
「最高のご馳走なのです」
「そうしたものなのね」
「ですから皆様にもお出ししました」
「そうなのね、それじゃあ」
「これもお召し上がり下さい」
「わかったわ」
 ガラスの猫の代わりに食べることの出来るオズマが応えてでした、そのうえでオズマと五人の子供達は猫まんまも食べました。
 するとです、オズマはこう言いました。
「あっ、これは」
「如何でしょうか」
「和風のリゾットみたいね」
 こう支配
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