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死んでいない
第二章
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「だからだ、これから私はあえてだ」
「ご自身からですか」
「彼等のところに行って」
「処刑を受けられますか」
「そうしよう」
 こう言ってだ、イーサーは胸を張り堂々として自分をジンの妖術を使う者だと主張する者達のところに来た。そうして彼等に対しても堂々と言った。
「私を疑うなら処刑してみることだ」
「何っ、自分から来たのか」
「そして処刑しろというのか」
「この男命は惜しくないのか」
「死を恐れないのか」
「死なないからこそ来たのだ」
 イーサーは高らかに言い切った、彼等に対しても。
「私の預言そして奇跡はアッラーから授けられたものだからな」
「ジンの妖術ではないのか」
「貴様のそれはジンの力だ」
「ではジンの妖術を封じるまじないをかけてやる」
「それもとびきり強いものをな」
「あらゆるジンを封じてやろう」
「是非してみるのだ」
 イーサーは自分を囲んで言う彼等にまたしても堂々と言い切った。
「それが私がジンを使ってなぞいない何よりの証になるのだからな」
「言ったな、ではだ」
「すぐにあらゆるジンを封じるまじないをかけろ」
「それもとびきり強いものをだ」
「そして処刑しろ」
「十字架にかけてしまえ」
 彼等はすぐにイーサーをにそうしたまじないを全てかけそのうえで十字架に送ることになった、だが十字架を自ら担いで処刑台の丘に行く時もだ。
 イーサーは胸を張って笑みさえ浮かべていた、そうして彼を見守る弟子達や彼を信じる人々そして彼を信じない者達に言うのだった。
「悲しむことも嘆くことも笑うこともないぞ」
「アッラーに授けて頂いているお力だからこそ」
「それ故にですね」
「そうだ、私が死ぬ筈がないのだ」
 彼を見守る弟子達に言った、やはり恐れていない声だった。
「だからだ」
「はい、それでは」
「安心してですね」
「ここで見ていればいいのですね」
「助け出すことなぞ考えてはならない」
 これは自分から止めるのだった。
「いいな、アッラーの奇跡を見守るのだ」
「わかりました」
「それではです」
「ここで見守らせて頂きます」
「そうさせて頂きます」
 弟子達も彼の家族もだ、イーサーの言葉に安心してそのうえで見守ることにした。それは彼を見守る者達も同じであった。
 そして信じない者達はというと。十字架を平然と担ぐイーサーを見て内心どうしてかと思っていた。
「何だ、あの重い十字架を平気で担いでいるぞ」
「何という怪力だ」
「十字架を担いでも苦しい顔をしていない」
「それどころか胸さえ張っている」
「あの男どれだけの怪力だ」
「元々大工だというがあの力は普通ではないぞ」
「まさか本当にアッラーに」
 力を授けられているのかと疑った、だがその声も聞きつつだ。
 イーサー
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