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結城友奈は勇者である ー勇者部の章ー
白と緑の精鋭部隊
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試合当日。
場所は…何故かゴールドタワー。
「相手の学校でやるんだと思ってたよ…」
「ね〜防具って意外と重いんだね〜」
「アタシの女子力を持ってしても…中々骨が折れるわね…」
友奈ちゃんとそのっちと風先輩が、ゴールドタワーの訓練場に着くや否やばったりと倒れ込んだ。
(私も…ちょっと疲れた…)
「だらしないわね、全く…」
夏凛ちゃんは平気な顔で荷物整理を始めている。もう着替える準備が出来たらしい。
「皆さん、そろそろ準備を始めましょう」
樹ちゃんの指示で、みんなが動き出した。


「えへへ…どうかな、東郷さん」
剣道着を着た友奈ちゃん…期待通り、いやそれ以上だわ。これぞ大和撫子。これぞ真の美というもの。私はこれを見るために生まれてきたんだわ…。
「素敵よ友奈ちゃん、疲れがどこかへ行ってしまったみたい」
「東郷さんもすごく似合ってる!カッコイイなー!」
「びゅおおおお!シャッターチャンス!」
私と友奈ちゃんのツーショットを、すかさずカメラに収めるそのっち。そのっちも可愛いわ。上品な顔立ちとよく合う…やはり、和服こそ、女性の美しさを引き立てるのね。
「そのちゃんも一緒に撮ろうよ!」
友奈ちゃんがそのっちに提案した。
「アタシもアタシもー!ほら、樹と夏凛も!」
「ちょ…アンタたち、遊びに来たわけじゃないのよ!」
夏凛ちゃんは、戸惑いと呆れを混ぜた顔をしていた。夏凛ちゃんも似合うわね。流石二刀流使い。とっても風格がある。
「まあいいじゃないの、写真くらい」
風先輩がそう言って、おまんじゅうのように六人で、ぎゅうぎゅうになった。そのままそのっちが内カメラで写真を撮った。


「あれが噂に聞いていた勇者部…緊張感がまるで感じられない…前会ったときは雰囲気が変わっていたと思っていたけれど、三好夏凜がここまで甘々になっているとは…」
「まあまあ、所詮勇者と言っても、わたくしたちと同世代のただの中学生…訓練を続けてきたわたくしたちの勝利は確実…」


「あ、相手校、いつの間にか来ていましたね」
樹ちゃんの発言で、私たちみんなの注意がそちらに向く。
「…?」
「どうしたの、夏凛ちゃん」
「あ、友奈…いや、あっちのチーム、既に道着に着替えているし、一人だけ面まで完全武装してるし…それに、なんかちょっと変じゃない?」
すぐにその意味が分かった。見るからにただの道着ではない。白と緑の配色で、胸に小さく、大赦マークが縫われている。まるで、訓練された兵隊のようにキッチリと一列に並び、座禅を組んでいる。あれは絶対に強い…
その後ろには…
「安芸先生だ〜!」
そのっちが真っ先に声を上げた。一体なぜこんなところに…?訳が分からない…
「大赦の息がかかっているってわけ…?聞いてた話では、近所の中学との練習試合って…」
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