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虹にのらなかった男
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んでボク達が悪者なんですか!
あと一歩で、中尉さんのミサイルを打ち落としたのはあのマゼランでしょう!
利敵行為をしたのはあっちですよ!』

ハヤトもかなりご立腹だ。

気持ちはわかる。

俺だって事前に『こう』なると知らなければ当たり散らしていただろう。

「ハヤト君。君は地政学というのを知っているかね?
地理と政治と書いて地政学だ」

『知ってますよそれくらい』

「で、地政学的に考えるとこのルナツーは連邦にとっては重要な場所な訳だけどもジオンにとっては戦略的価値皆無の拠点。
月と地球を挟んでジオンに最も遠い場所。
だが赤い彗星が沈んだとなればジオンはルナツーを重要視してここを攻めてくる。
連邦としてはルナツーには置物であって貰わないと困るんだよ」

『中尉さんは、納得してるんですか?』

「納得は出来ないがあのまま続けてたらマゼランに撃たれていた。
流石に味方の艦を沈めて宇宙海賊になるのは嫌なのでね」

やがて、光が見えた。

この真空の虚無の中、光は星か人工灯のどちらか。

太陽はルナツーの影であり、見えるのは当然文明の光だ。

ただ、その光が煙に乱反射しているとなれば、近付きたくはなくなる。

『なんだありゃ!? マゼランが港で沈んでやがる!』

ルナツーのゲートを覗き込んだカイ君の第一声はそれだった。

ああ…間に合わなかったか…

「ふむ…出港直後にミサイルかメガ粒子砲でも食らったか……それとも工作員が侵入したか…」

『工作員だって!? ルセーブル中尉!俺達はどうしたらいいんだ?』

「リュウ。とにかく全方位で呼び掛け続けろ。
俺はマゼランを見てくる」

『了解!』

side out






リュウとカイはアベルに言われた通り、ゲートの縁で母艦へのコールを続けていた。

『こちらホワイトベース』

『ありゃ、やっと繋がった……。
顔怖いよブライトさん』

『大至急戻ってこい。大仕事が待っているぞ』

アベルはソレを聞きながら、マゼランの検分を進めていた。

「メガ粒子砲…ミサイルの着弾はナシ…。
やっぱりジオンの工作員か…」

MS形態に変形させたアブルホールを座礁したマゼランの艦底に近付ける。

「めり込んではいないのか…」

『中尉さーん。帰投命令だぜ』

アベルはスピーカーから聞こえたカイの声に、検分を一時中断した。

「了解。ホワイトベースに帰投する」

アベルとローザがホワイトベースに着艦しようとすると、管制官…セイラに止められた。

『ルセーブル中尉。そちらのMSデッキはジオンの兵と白兵戦を行ったあとです。
後部デッキにはいってください』

「白兵戦!? ホワイ
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